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2011年2月 5日 (土)

ティルト角によるフォーカス変化の実際 -近距離

前回は概略で説明しましたが、パンフォーカスを得るためのティルト角は、「被写体面に対する角度」「被写体距離」の2要素で定まるため、まずは被写体距離を一定にして角度を違えて実写してみましょう。

スティルライフ撮影をイメージして、机の上に置いた印刷物をEOS5DII+TS-E90mmで撮ってみたいと思います。

110205a

 

まず最初に60°での撮影。

ティルトをさせずにノーマルで撮った画像として開放絞り(f2.8)のものをお見せします。ピントは中ほどの「Eavoy in the 1979-1983...」の行に合わせます。

なお、今回は説明に使う画像が大きいため、小さいモニターでご覧の方はご不便をおかけします(次の画像以降同じ)

20110205b2
◆f2.8 ノーマル(ティルト0°) 元画像5616×3744を1/4に縮小

次に最大絞りに近いもの(f22)です。

20110205b3
◆f22 ノーマル(ティルト0°) 元画像5616×3744を1/4に縮小

さすがに全域にはピントがきません。

次はティルトを8°にしたf11での画像

20110205b4
◆f11 ティルト8° 元画像5616×3744を1/4に縮小

ほぼパンフォーカスといえる写真になりましたが、等倍でみるとどうでしょう。

そこで、ノーマル(ティルト0°)とティルト8°で絞りを1段ずつ変えた画像を等倍も含め並べて見比べましょう。

20110205b5
◆ノーマル(ティルト0°) 5616×3744ピクセルを 全景は約13%に縮小(左右カット)-690×150 中心部等倍-150×150 最下部等倍-150×150)

原寸の部分を見ると分かる通り、センターの解像感は開放絞りでは甘く、絞りすぎると小絞りボケが出て、コントラストも低下しているのが分かります。(f32では本当の32の値まで絞りきれていない--絞りが若干大きい--ため全体に明るくなっています)

20110205b6
◆ティルト8° 同上 

8°のティルトが適切と判断したのですが、f11あたりでも甘いことがわかりました。どうやらティルトさせすぎたようです。なお、開放絞り(とそこから1段)ではノーマル時に比べセンター部分の解像感が著しく落ちているのがわかります。

若干戻し5°にするとパンフォーカスになるようです。

20110205b8
◆ティルト5° 同上 

 

ティルトした場合の被写界深度がノーマルの場合と比べ何段分違うかを目視で並べた表にしました。また45°で撮ったものも同様に並べました。

20110205b7

このように、パンフォーカスを得る適切なティルト角を超えると前後が再びデフォーカスするることがおわかりいただけるでしょう。(2011.02.19: 上の一覧で45°は8°のティルトでも不足することが計算で求められましたので7°のデータは「参考」とさせていただきます)

ティルトを調整してパンフォーカス写真を撮るのは、商品写真などで使い、今まで経験上で「このぐらい」って調整していたのですが、今後はデータに基づいた調整をしようと思います。

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