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2011年11月の4件の記事

2011年11月27日 (日)

商品撮影用便利ツール

20111127a

私の場合、撮影業務においては商品撮影がメインなのですが、本格的なスタジオなど持てるような稼ぎがありませんので、デスクサイドに撮影スペースを取ってなんとかやっています。

従って、撮影機材もスタジオ用の大型のものはカメラスタンドぐらいで、あとはなるべく一般用の小型のものを、時には改造したり、足りないパーツは自作したりしています。

20111127b 中でも重宝しているのが、右の LPLボールヘッド MH1004 [MH1004] です。2000円ぐらいの安い自由雲台なのですが、なにもカメラに使おうというわけではありません。

本体の径が24mmのミニサイズですから一眼レフの重量を支えられるわけではなく、軽量小型のコンデジが精一杯のものですが、前にご紹介したLEDライト CN-126 の固定にも使えますし、他の三脚穴を持った軽量の器具にも使っています。

そして何より、この雲台の特徴ある構造が大変役に立っているのです。

カメラねじがプレートを貫通しているので、このプレートを回してはずし、何かを挟んで再度締め込めば固定できるのです。

20111127c

クリップ型の固定具はスタジオ用品メーカーから各種出ていますが、文房具店で買える一般的なクリップが、この雲台を使うことでレフ板固定具になります。

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一般的にはレフはタイトル画像のようにステージ上に置きますが、場合によっては高い位置にぶら下げたり、あるいは鏡面への写り込みに使用したりと、自在な位置、自在な向きにする必要があるため、自由雲台を使用するのは非常に役立ちます。

なお、クリップで挟んで使うレフ板として、私はスチレンペーパーを好んで使っています。デザイナーにとっては見慣れたものなのですが、写真関係の方では割と知らない方も多く、お勧めすると「便利だね」となるのですが、とにかく軽くてそのくせコシがあるので、アールにしたり、上向けに掲げ持ったりもできます。

画材店では普通に売られていますが、通販では、楽天のセントラル画材オンラインショップで B3サイズ 2mm厚、 B2サイズ 2mm厚 などサイズ、厚みがそろってます。

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2011年11月20日 (日)

TS-Eレンズ ティルト・シフト応用編 -おまけ

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先日、TS-Eレンズを持っている友人から、「過去の記事 TS-E24mm 新旧比較 の写真と比べて、自分のはもっと移動するのだけれど」と言われ、ASP-Cサイズでの説明が欠けていたことに気がつきました。(彼の場合、カメラはAPS-Cだったのです)

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APS-Cのカメラでは、フルサイズをトリミングしていると考えればいいので、11mm(TS-E24や17mmでは12mm)のシフトはフルサイズ以上に画面の移動量があります。上の図のように、縦位置で12mmライズした場合は、長辺36mmのフルサイズでは33%に相当するところが、キヤノンのAPS-Cでは54%にもなります。

従って前回のスティッチによる広角画の作成においてもAPS-Cではより優位になります。
(上:APS-C 下:フルサイズ)
20111120c

20111120d

スティッチした、より広範囲の画像をレンズ焦点距離換算で表すと
フルサイズでは
90mm→60mm相当
45mm→30mm相当
24mm→15mm相当
17mm→11mm相当
のところが

APS-Cでは
90mm→50mm相当
45mm→25mm相当
24mm→12mm相当
17mm→8mm相当
といった具合に一回り大きな(広角の)画像が得られる訳です。

画素数もフルサイズでは2.3倍になるところがAPS-Cでは3.3倍にもなります。大きく引き伸ばしたい風景写真では、こんなやり方もあるというご紹介でした。

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2011年11月13日 (日)

TS-Eレンズ ティルト・シフト応用編 -2

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ティルトによる被写界深度のコントロールは、「大ボカシの時は開放で」「パンフォーカスの時は絞って」という使い方だけではありません。

タイトル写真は前回にも登場したカセットデッキですが、このような「寄り」でボカシを入れたイメージカット(中心部の「MEMORY」他のボタンの内容表示だけにピントを合わせたもの)を考えてみましょう。

画面右のほうが少々奥まってますから、上下の段をぼかすと右端の「FeCr」は結構ぼけます。(下写真左 クリックで拡大します)

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そこで、左に少々リボルブしティルト軸をこの文字の列の方向にして、逆ティルトをかけ絞って写せば右のように文字の部分のみしっかりピントがきます。要は、絞ったことでピントが合って困る部分を逆ティルトのボケで相殺してしまう訳です。

このように、被写界深度を自由にコントロールすることができるのがティルト機能の醍醐味で、「パノラマ風写真」は一部の表現手法でしかありません。キヤノン「TS-Eレンズ」、ニコン「PC-Eニッコール」をお持ちの方、ぜひとも様々な表現に活用していただきたいと思います。

(もっとも、パンフォーカスで撮って後からソフトでボケをつくるほうが、より自由な表現ができますが。。。)

【ライズ(フォール)/シフトの合わせ技】

レボルビングはティルトだけでなく、シフトに関しても活かせます。

背の高いビルを写す時にライズ(上シフト)すれば上すぼまりのない写真が撮れる訳ですが、その場合、ファサード(ビル前面)が四角いビルであれば真正面から写すのが標準でしょう。

20111112c 通りに面したビルを撮る場合、通りの反対側の歩道から撮るのが普通ですが、一番いい撮影位置(ビルの真正面)に障害物があることがたまにあります。実際、電柱のない撮りやすい場所だと思っていたら、被写体の真前に変圧器ボックスが建っていてガッカリしたことがあります。

こんなとき、障害物を避け、左右のシフトを含めたリボルブしたシフトで撮れば、画角のセンターに真四角な被写体を収めることができます。また、障害物がなくてもビルのガラスに自分が写る事を防ぐこともできます。

この場合、あまりにシフトすると、本来そうは見えない形状(真正面から撮った風に見えて側面も見えるなど)で写ってしまうので注意が必要です。

 

さて、シフトの変わった使い方として、シフトした画像を継いで広角な画像に仕上ることにも触れておきましょう。

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11mmのシフト幅を持ちレボルビングできるということは、24×36mmの撮像面が46×58mmに広がるということです。ただし四隅は角落としになります。24mm、17mmはシフト幅が12mmありますのでそれより大きくなります。

そこで2:3のアスペクト比を持った大きな画像を撮ろうとすると、33.7°リボルブした4枚の画像をスティッチすれば良いことがおわかりいただけるでしょう。もっとも33.7°を各方向で揃えるのは至難の業なので、30°にあるクリックポイントを利用して少し横長の画像にしてもよいでしょう。

90mmレンズであれば60mm相当になります。45mmは30mm、24mmは15mm、17mmは11mmで、一段階広角系の画角を画素数2倍強で撮る事が可能です。

20111112e もっと簡単な方法は両方に目いっぱいシフトした2枚をスティッチする方法ですが、この場合はアスペクト比はほぼ3:4になります。

この場合、24mm、17mmはシフト幅いっぱいで使うと「かかり代」ができませんので、フルシフトからちょっと戻して使うのがコツです。

広角系のものを使えば、画素数約2倍でしかも収差の少ない高品質の風景写真が簡単に撮れます。

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2011年11月 5日 (土)

TS-Eレンズ ティルト・シフト応用編 -1

20111105a

過去、
ティルト・シフトレンズ Canon TS-Eレンズ
Canon TS-Eレンズの使い方
ティルト・シフトレンズによらない同効果の表現
といった記事で、TS-Eレンズについてご紹介しましたが、enjoyphotoさんより「レボルビング機能の詳しい使い方を掲載してほしい」とのリクエストがありましたので、「応用編」と銘打ってご紹介します。なお、特に90mmレンズについてのリクエストでしたので、使用写真は90mmで撮ったもののみとしました。

この「レボルビング機能」は、ティルト、シフトの軸を90度回転させることができることを指しますが、当然カメラの横位置、縦位置を変更した場合には必須となることは容易に想像がつくと思います。

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カメラが横位置で軸を横にしたティルトの場合、上のようにピント面が変わります。適切な角度に下ティルトすればキーボードのような平たいものを手前から奥までピントを合わせられ、、見下げ時の上ティルトではピントの範囲が狭まり「大ボカシ」になるので「ジオラマ風」の写真に使えることはすでにご紹介しました。

ティルトによって自在に被写界深度を変える(といっても絵の一部に限定的ですが)のが、このTS-Eレンズの楽しみ方のひとつです。

 

【スイングによるパンフォーカス】

20111105c カメラが横位置で、軸を縦にした横方向へのティルト(スイング)ではピント面は、上の図のピント面を横に倒したものになります。

静物撮影ではよくあるものの、趣味的な撮影では果たしていいものがあるのかと思ったのですが、ひとつ思いついたのが鉄道写真です。

右のように長い編成の列車の奥まですべてにピントを合わせるのは一番絞り込んでも無理でしょうし、動く列車の撮影ではシャッタースピードも稼ぎたいでしょう。

この場合、スイング(右の例では右スイング)をすることで、絞りを開き気味でも深い被写界深度が得られます。

このTS-Eレンズ(90mm)ではレボルビングの途中30度ごとにクリック感がありますが、それ以外でも任意の角度で止めて使えますので、斜めのティルト軸での例をいくつかご紹介しましょう。

【ティルト/スイングの合わせ技によるパンフォーカス】

20111105d

このような楔形の形状の機器、真正面からの撮影であれば水平軸でのティルトで済みますが、少し横に振った撮り方ではそれでは不足しそうだと想像できると思います。

こんなときには、若干右にティルト軸を傾けた(リボルブ=レボルブ)上で下にティルトをかけると左手前下から右奥上にかけての斜めの平面にピント面ができます。

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この図では上の機器のメインの面にピント面を合わせていることが、直感的には分かりにくいかと思います。大判カメラの場合は、ティルト軸とスイング軸の直交する2軸で調整します(従ってサブタイトルも「ティルト/スイングの合わせ技」としています)ので操作も直感的なのですが、一眼レフ用のレンズではレボルビングを採用しているため、レンズの回転とティルト1軸での調整でできるピント面の把握は慣れるまではちょっと大変です。

上の実例写真はExifデータをご覧になればわかる通り、f13で中程度の絞りですが、ティルトをかけないf19の例より被写界深度がとれていることは次の等倍の写真でお分かりになると思います。(クリックで拡大します)

20111105f

ところが、機器の左側面部はピント面からはずれますので確実にボケています。

このように、「被写界深度が深くなる」といっても万能ではないのですが、この写真のようにメインで見せたい部分のみパンフォーカスにする場合には大変有効な方法です。(これで左側面もピンを出したい場合には、そこにピントを合わせた画像と合成しますが、この場合合成は大変簡単です)

 

【ティルト/スイングの合わせ技による大ボカシ】

今回のタイトル写真は、息子のパジャマにプリントされた文字を際立たせたカットにしました。

これは右に20度ほどリボルブし、上に目いっぱいティルトしたものです。ティルトをかけないとこんな具合です。

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真俯瞰に近い見下ろしなので、文字の書いてある部分もそれ以外もほとんど同じ距離で、このレンズの開放絞りであるf2.8でも前ボケや後ボケはほとんど発生しません。ティルトをかけることでドラマチックな演出が可能になります。

同じ手法のサンプルをもう1点。(クリックで拡大します)

20111105h

この写真では真ん中の本の背表紙以外を大きくぼかし、「TOKYO STYLE」という文字を強調したいのですが、普通に開放で撮っても左のように他の本がうまくぼけてくれません。ティルト(スイング)することで右のように大きなボケが得られます。

次回に続く

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