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2011年11月 5日 (土)

TS-Eレンズ ティルト・シフト応用編 -1

20111105a

過去、
ティルト・シフトレンズ Canon TS-Eレンズ
Canon TS-Eレンズの使い方
ティルト・シフトレンズによらない同効果の表現
といった記事で、TS-Eレンズについてご紹介しましたが、enjoyphotoさんより「レボルビング機能の詳しい使い方を掲載してほしい」とのリクエストがありましたので、「応用編」と銘打ってご紹介します。なお、特に90mmレンズについてのリクエストでしたので、使用写真は90mmで撮ったもののみとしました。

この「レボルビング機能」は、ティルト、シフトの軸を90度回転させることができることを指しますが、当然カメラの横位置、縦位置を変更した場合には必須となることは容易に想像がつくと思います。

20111105b

カメラが横位置で軸を横にしたティルトの場合、上のようにピント面が変わります。適切な角度に下ティルトすればキーボードのような平たいものを手前から奥までピントを合わせられ、、見下げ時の上ティルトではピントの範囲が狭まり「大ボカシ」になるので「ジオラマ風」の写真に使えることはすでにご紹介しました。

ティルトによって自在に被写界深度を変える(といっても絵の一部に限定的ですが)のが、このTS-Eレンズの楽しみ方のひとつです。

 

【スイングによるパンフォーカス】

20111105c カメラが横位置で、軸を縦にした横方向へのティルト(スイング)ではピント面は、上の図のピント面を横に倒したものになります。

静物撮影ではよくあるものの、趣味的な撮影では果たしていいものがあるのかと思ったのですが、ひとつ思いついたのが鉄道写真です。

右のように長い編成の列車の奥まですべてにピントを合わせるのは一番絞り込んでも無理でしょうし、動く列車の撮影ではシャッタースピードも稼ぎたいでしょう。

この場合、スイング(右の例では右スイング)をすることで、絞りを開き気味でも深い被写界深度が得られます。

このTS-Eレンズ(90mm)ではレボルビングの途中30度ごとにクリック感がありますが、それ以外でも任意の角度で止めて使えますので、斜めのティルト軸での例をいくつかご紹介しましょう。

【ティルト/スイングの合わせ技によるパンフォーカス】

20111105d

このような楔形の形状の機器、真正面からの撮影であれば水平軸でのティルトで済みますが、少し横に振った撮り方ではそれでは不足しそうだと想像できると思います。

こんなときには、若干右にティルト軸を傾けた(リボルブ=レボルブ)上で下にティルトをかけると左手前下から右奥上にかけての斜めの平面にピント面ができます。

20111105e

この図では上の機器のメインの面にピント面を合わせていることが、直感的には分かりにくいかと思います。大判カメラの場合は、ティルト軸とスイング軸の直交する2軸で調整します(従ってサブタイトルも「ティルト/スイングの合わせ技」としています)ので操作も直感的なのですが、一眼レフ用のレンズではレボルビングを採用しているため、レンズの回転とティルト1軸での調整でできるピント面の把握は慣れるまではちょっと大変です。

上の実例写真はExifデータをご覧になればわかる通り、f13で中程度の絞りですが、ティルトをかけないf19の例より被写界深度がとれていることは次の等倍の写真でお分かりになると思います。(クリックで拡大します)

20111105f

ところが、機器の左側面部はピント面からはずれますので確実にボケています。

このように、「被写界深度が深くなる」といっても万能ではないのですが、この写真のようにメインで見せたい部分のみパンフォーカスにする場合には大変有効な方法です。(これで左側面もピンを出したい場合には、そこにピントを合わせた画像と合成しますが、この場合合成は大変簡単です)

 

【ティルト/スイングの合わせ技による大ボカシ】

今回のタイトル写真は、息子のパジャマにプリントされた文字を際立たせたカットにしました。

これは右に20度ほどリボルブし、上に目いっぱいティルトしたものです。ティルトをかけないとこんな具合です。

20111105g

真俯瞰に近い見下ろしなので、文字の書いてある部分もそれ以外もほとんど同じ距離で、このレンズの開放絞りであるf2.8でも前ボケや後ボケはほとんど発生しません。ティルトをかけることでドラマチックな演出が可能になります。

同じ手法のサンプルをもう1点。(クリックで拡大します)

20111105h

この写真では真ん中の本の背表紙以外を大きくぼかし、「TOKYO STYLE」という文字を強調したいのですが、普通に開放で撮っても左のように他の本がうまくぼけてくれません。ティルト(スイング)することで右のように大きなボケが得られます。

次回に続く

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