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2011年11月13日 (日)

TS-Eレンズ ティルト・シフト応用編 -2

20111112a

ティルトによる被写界深度のコントロールは、「大ボカシの時は開放で」「パンフォーカスの時は絞って」という使い方だけではありません。

タイトル写真は前回にも登場したカセットデッキですが、このような「寄り」でボカシを入れたイメージカット(中心部の「MEMORY」他のボタンの内容表示だけにピントを合わせたもの)を考えてみましょう。

画面右のほうが少々奥まってますから、上下の段をぼかすと右端の「FeCr」は結構ぼけます。(下写真左 クリックで拡大します)

20111112b

そこで、左に少々リボルブしティルト軸をこの文字の列の方向にして、逆ティルトをかけ絞って写せば右のように文字の部分のみしっかりピントがきます。要は、絞ったことでピントが合って困る部分を逆ティルトのボケで相殺してしまう訳です。

このように、被写界深度を自由にコントロールすることができるのがティルト機能の醍醐味で、「パノラマ風写真」は一部の表現手法でしかありません。キヤノン「TS-Eレンズ」、ニコン「PC-Eニッコール」をお持ちの方、ぜひとも様々な表現に活用していただきたいと思います。

(もっとも、パンフォーカスで撮って後からソフトでボケをつくるほうが、より自由な表現ができますが。。。)

【ライズ(フォール)/シフトの合わせ技】

レボルビングはティルトだけでなく、シフトに関しても活かせます。

背の高いビルを写す時にライズ(上シフト)すれば上すぼまりのない写真が撮れる訳ですが、その場合、ファサード(ビル前面)が四角いビルであれば真正面から写すのが標準でしょう。

20111112c 通りに面したビルを撮る場合、通りの反対側の歩道から撮るのが普通ですが、一番いい撮影位置(ビルの真正面)に障害物があることがたまにあります。実際、電柱のない撮りやすい場所だと思っていたら、被写体の真前に変圧器ボックスが建っていてガッカリしたことがあります。

こんなとき、障害物を避け、左右のシフトを含めたリボルブしたシフトで撮れば、画角のセンターに真四角な被写体を収めることができます。また、障害物がなくてもビルのガラスに自分が写る事を防ぐこともできます。

この場合、あまりにシフトすると、本来そうは見えない形状(真正面から撮った風に見えて側面も見えるなど)で写ってしまうので注意が必要です。

 

さて、シフトの変わった使い方として、シフトした画像を継いで広角な画像に仕上ることにも触れておきましょう。

20111112d

11mmのシフト幅を持ちレボルビングできるということは、24×36mmの撮像面が46×58mmに広がるということです。ただし四隅は角落としになります。24mm、17mmはシフト幅が12mmありますのでそれより大きくなります。

そこで2:3のアスペクト比を持った大きな画像を撮ろうとすると、33.7°リボルブした4枚の画像をスティッチすれば良いことがおわかりいただけるでしょう。もっとも33.7°を各方向で揃えるのは至難の業なので、30°にあるクリックポイントを利用して少し横長の画像にしてもよいでしょう。

90mmレンズであれば60mm相当になります。45mmは30mm、24mmは15mm、17mmは11mmで、一段階広角系の画角を画素数2倍強で撮る事が可能です。

20111112e もっと簡単な方法は両方に目いっぱいシフトした2枚をスティッチする方法ですが、この場合はアスペクト比はほぼ3:4になります。

この場合、24mm、17mmはシフト幅いっぱいで使うと「かかり代」ができませんので、フルシフトからちょっと戻して使うのがコツです。

広角系のものを使えば、画素数約2倍でしかも収差の少ない高品質の風景写真が簡単に撮れます。

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