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2013年6月の5件の記事

2013年6月29日 (土)

格安の一脚ホルダー

20130629a 仕事上ではあまり一脚は使いませんが、一応持っています。

さて、三脚に比べると行動性がある一脚。使わないとき(手持ち撮影時)にはどうしてます?

2回ご紹介した、あるイベントの撮影。手持ち→一脚使いでスピーディに→三脚でじっくりとといった具合に短時間で使ったり使わなかったりが頻繁な案件でしたが、その際に、「一脚を腰にぶら下げるためのホルダーが欲しい」と、いろいろ探してみました。

「一脚ホルダー」が適切な名称かと探すと、ジッツオからは「ホルスター」として一脚用:GC5330 だけでなく三脚用:GC3320 などというものもでていますがちょっとお高いですね。これらは、単に収納するだけではなく「腰の位置で一脚の脚先をホールドしてカメラブレを防ぐ」撮り方にも対応しているようです。その他、なじみのないブランドのものもamazonで売られています が、これはちょっとパスしました。

20130629b

さて、私の現在持っている一脚はベルボンの ULTRA STICK R50 というもので、ベルボン独自の「ダイレクトコンタクトパイプ」という「脚パイプそのものをひねって脚のロック・アンロックを行う」シリーズのもので、その一番太いタイプR50は一番太いパイプが30mm、最下段(5段)でも18mmある充分太いものです。

20130629c ダイレクトコンタクトパイプのおかげで余計なふくらみがありません。一番太い部分は巻いてあるウレタン部分で、ここが結構太いため、筒状のホルダーだと抜きだすときに引っかかる心配があります(ウレタンのため余計に引っかかりやすい)。上でご紹介したamazonのものは、ナイロン製と思われる筒の部分は断面がカマボコ状ですので、余計抜きにくいと判断されパスしました。

そうかといってジッツオのものは手前に引きだすので引っかかる懸念はないものの、ゴツいし高い。また撮影時のサポート用は特に考えていないので、もっと一般品で使えるものはないかとDIYショップに行ったついでに探してみました。

大工や職人用のベルトポーチ関連は、作りがしっかりしている割に安いので期待をしていたのですが、やはりちょうど良いものがありました。

20130629e ふくろ倶楽部 ツールホルダー マルチ 鏝・指示ライト CO-T1 という名ですが、上部の切り欠きは左官鏝(こて)の柄を立ち上げている部分「首」をひっかけるためのものです。

合成皮革を丸めているので、ほぼ真円が保たれており、一脚を抜くときもほとんど引っかかりません。

筒状の部分が短いと、一脚に雲台をつけているトップヘビーな状態だと不安定ですが、この深さだとグラグラせず、非常に安定したホールド感です。

穴径の「Φ44」は、実際に44mm径の化粧品ボトルを突っ込み、それがギチギチだったので表記した寸法です。抜きやすい最大径は私の一脚程度の40mmといったところです。

20130629fこの通り、まさに ULTRA STICK R50にぴったりの寸法ですが、これに近い寸法の一脚をお使いの方、トッププレートの直径が50mm程度あるならコレ使えますよ。

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2013年6月22日 (土)

TS-Eレンズでシフトスティッチ

20130622a

 

TS-E24mmと17mmのテストをしたついでに、過去記事 「TS-Eレンズ ティルト・シフト応用編 -2」 で説明したパノラマスティッチについて、再度取り上げましょう。ここで、タイトルを「パノラマスティッチ」ではなく「シフトスティッチ」にしたのには訳があります。

一般的にパノラマスティッチするには、カメラをスイング(パン)させて、円筒形状の平面に写し込むことになります。従って、広い平面状の被写体に正対して撮ると、センターと端では距離が異なるため、遠くになってしまう画面両端ほど小さく、すなわち「中膨らみ」の画像になります(図では平面が「中折れ」でつながった多角柱上の画像になっていますが、これを滑らかにつなぐことが必要になります)。

20130622b

一方シフトによるスティッチは同平面上をスライド(シフト)した画像の繋がりなので歪みはありません(原理上。実際にはレンズの収差などはあります)。

そこで、シフトスティッチとした訳ですが、特に正しい呼称があるようではありません。「シフトパノラマ」と呼んでもかまわないでしょう。

さて、TS-Eレンズの広角タイプには24mmと17mmがありますが、レンズの特徴について以下のことはご存じでしょうか。「焦点距離が1.4倍のレンズを縦位置で使うと、画角の天地はほぼ同じになる」。

20130622c

24mmレンズの縦位置と17mmレンズの横位置で、画角の天地はほぼ同じになります。こうやって見ると、単焦点で50、35、24、17と揃える意義がまた一つ増えるでしょう。

20130622d_2 過去記事でも、縦位置にして横シフトした画像を繋げば約2倍(フルシフトせずに、重複部分「掛かり代」を若干設けることが大事なので2倍弱となります)の大画面になると説明しましたが、要はTS-E24mmでこれを行えば、17mm相当の画角になるということです。

通常パノラマスティッチするときは、掛かり代を相当に設けないと、上に示した多角柱からなめらかな円筒状になりません。また、周辺の諸収差も吸収できません。パノラマ生成ソフトでもこの重複部分を充分に設けていないと生成してくれません。

ところがティルト・シフトレンズであれば、広大なイメージサークルの連なる部分で繋ぐのですから、基本的には重複部分は最小で済みます。

実際に2枚の縦位置の写真を繋いでみましょう。

20130622e

前回と同日に撮ったほぼ同じアングルです(EOS5Dmk3 F11 1/6 ISO200 ホワイトバランス:AWB、ピクチャースタイル:スタンダード JPEG撮って出し)。これを繋ぐのですが、2枚を適切な位置で合わせても、マニュアル露光でも若干光量が違っていたり、ましてや外光では雲の具合で明るさが異なっています。また、カメラのセンサーの周辺特性などもありきれいには繋がりません。そこで繋ぎ目となるところをグラデーションで消してやります。また、ただシフトしただけでも数ピクセルの上下のずれは発生するので、上下も合わせます。

20130622f レイヤーの管理できるソフト(この場合はPhotoshop)で2枚を並べ、2枚の位置を揃え、継ぎ目をグラデーション消し(大きなサイズの「柔らかな」消しゴムを垂直に直線引きすれば良い)するだけで以下のようなものができます。(クリックで1200×800pxに拡大します)

20130622g

左右の明るさが微妙に違うことがわかりますが、きれいに繋がっています。同場所、同条件(SSのみ1/8と速いため若干暗い)で撮った17mmのほうも比較で載せましょう。(クリックで1200×800pxに拡大します)

20130622h

アスペクト比は異なりますが、同じような画角を約2倍の解像度で表現できます。EOS5Dmk3ではラージJPEGで3840×5760ピクセルですが、それを2枚繋いだので7464×5744ピクセルになります(足りない左右は掛り代の分。上下はズレの解消)。

ただ、過去にも触れた、「レンズをシフトするのでは視差ができ、継ぎはきれいではない」ことが、この写真では手前のコンクリート地面のところに現れています(クリックで1200×800pxに拡大します:等倍画像)

20130622i

20130622j これを防ぐには、三脚にカメラを固定してレンズのほうをシフトする一般的な撮り方ではなく、レンズを固定し、カメラのほうをシフトする必要があります。

「気になっている製品」としてご紹介した proPsolution TSE アダプター はまさにそのための製品です。TS-E用のレンズ座といえるもので、レンズが固定されているので、シフトするとカメラのほうが移動します。

カメラを固定している方法でも、レンズのシフト量を相殺するカメラの逆移動ができれば同結果となります。ベルボンのスーパーマグスライダーは前後だけでなく左右の移動もギアで行えるので画角ずれなど起こしにくいでしょう。ただし移動量の目盛がなく、ノブ1回転で4mm移動することを覚えておいてノブの回転数で判断しなければなりません。

アルカスイス規格のプレートを利用していれば、だいたいのクランプには目盛が打ってある(モノによってはmm単位)ので、一度クランプをゆるめ相殺する量だけずらして再度固定する方法もあります。ただこの場合、ゆるめて再度固定する際に光軸のずれが起きやすいので要注意です。

撮影時に微妙なコントロールをしたくないのであれば、パノラマスティッチソフトを使えば自動で繋ぎの補正をしてくれます。PhotoshopのPhotomerge機能やキヤノンカメラの付属ソフトPhotoStitchでは、この場合の元絵は左右に加えセンター、計3枚あれば自動できれいにスティッチしてくれます。

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2013年6月16日 (日)

TS-E17mm F4L 縦位置シフト撮影

20130615a

 

キャノンの超広角ティルト・シフトレンズ TS-E17mm F4L、前回は正位置(シフトしない)で他のレンズとの比較をしてみましたが、何と言ってもこのレンズは「シフト」して使うことに真価があります。

20130615b シフト量は12mm。フルサイズのイメージセンサは約36×24mmですから、縦位置でフルシフトする場合は、画面は1/3移動するということです。(横位置なら半分)

右の図のように、1/3という量は大した移動量ではないように思えますが、実際の現場(建築物の撮影)では、かなりの効果が出ます。

まず、水平(正対)での撮影。前回と同様に、EOS5Dmk3 F11 1/8 ISO200 ホワイトバランス:AWB、ピクチャースタイル:スタンダード JPEG撮って出したものを、無加工でサイズだけ縮小したものです。(各々クリックで1200×800pxに拡大します)

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前回の横位置の画像では写っていない右下のボールはかなり「ひしゃげ」ます。歪曲収差を改善した超広角レンズを使用して建築物やインテリアを撮る場合、四隅にあるものの変形は避けられないのですが、見る人に形状の誤解を与えないよう、こういった場所に重要な被写体が入らないように注意するのも大事です。

次は、フルの上シフト(ライズ)。

20130615d

ご覧のように、この12mmのライズで、かなり上まで入り込みます。ここで気になるのは四隅の収差・解像感と、先ほど指摘した形状変形。

収差や解像感はこれだけ悪くなります。(右上部・等倍切り抜き)

20130615e 色収差もあり、解像感もかなり悪くなっています。長辺方向のシフトですからイメージサークル周辺に近い場所の性能なのでこんなところでしょう。

20130615f また、形状の変形も著しいです。この排気ダクトは壁取付面の寸法が20×40cmほどで、出寸法も20cmなのですが、この写真でみると4~50cmも出っ張っているように見えます。

この被写体の位置関係は右図のようなものですが、見上げ60度にもなる範囲を撮っているのですから、この程度の変形ができるのも当然です。

先に書いたように、こういう周辺部に、「形状が変形して、誤解を招いては困るようなものがある」ことをなるべく避けるのは仕事の写真では重要なことだと思ってはいるのですが、現場ではなかなか都合よくモノがレイアウトされている訳ではなく、気になる写りの写真になることもよくあります。

20130615g もっとも、この実験において、「この建物を表現する」のならここまでシフトすることはなく、右のように、しっかり床面も入り、適度に2階も表現できる程度のシフトが適当です(8mm弱のシフト)。 (この写真は拡大しません あしからず)

これらの写真は特に収差や周辺減光などを補正処理していませんが、とにかくこのレンズのすごいところは、このような建物に正対している場合でも歪曲を感じさせないところです。

歪曲収差があると、撮影時のプレビューで正しい向きであるかの判断に悩みます。「傾いて見えるのは、正対していないせいか、水平がとれていないのか、レンズの歪曲のせいなのか・・・」 これらを、あとで処理するにしても正しく判断していないと適切には処理できないので、なるべく撮影時に追い込んでおきたい事項です。

無処理でこれだけの写りですから、場合によってはJPEGのみの撮影で済ますことも問題ないでしょう。

 


20130615h 20130615i TS-E17mm F4Lに関するネタをひとつ。

このレンズはご承知のように超広角のティルト・シフトレンズのため、レンズがこれだけ出っ張っています。

キャップも特殊なもので、周りを覆うような形状のバヨネット式(ロック付)のものです。

シフトを考慮すると、かなりの画角のため、レンズフードがありません。

しかし、発売当初に掲示板等で話題になった、「TS-E24mm F3.5L II」のフードをつけてみました。

このフード EW-88B、名称から分かるように呼び径88mmのものですが、TS-E17mmのバヨネット部(キャップのためにバヨネット機構が付いています)は、この呼称に従えば85mmなので3mmも違います。

ただ、バヨネットのバネのおかげで右写真のようになんとか収まりはします。

またケラレに関しては、長辺方向のフルシフトでは結構カブります。フルシフト(やティルト/シフトの共用)はしないというのであれば「なんとか使える」と思います。

確かに、保護フィルターも付けられないので、「せめてフードでも」というのもわかりますし、フードにより悪影響のある光をカットする効果も皆無ではないでしょうが、ほとんど効かないと思います。

ちょっと当たればはずれてしまう「ヤバい」フードを付けるよりは、撮影時のみキャップをはずすという使い方をすれば気にならない事だと、ここ数回使ってみて感じました。

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2013年6月 8日 (土)

TS-E17mm F4Lと他の17mm

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前回のTS-E24mm F3.5L IIに続き、17mmのほうも比較実験をしてみましょう。とは言っても、この17mmは私の所有するものではなく、何回か借りている借り物です。

私の所有するレンズでこの焦点距離をカバーするものは、前回同様SIGMA 12-24mm 1:4.5-5.6 DG HSM (旧タイプ)、EF17-40mm F4L USM となります。

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前回と同日に同条件(EOS5Dmk3 F11 1/8 ISO200 ホワイトバランス:AWB、ピクチャースタイル:スタンダード JPEG撮って出し)のものを、無加工でサイズだけ縮小したものです。(各々クリックで1200×800pxに拡大します)

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20130608e_2

17mmともなると四隅への「引き延ばし」 の度合いはかなり大きくなりますが、この例では「変形が目立つ被写体が四隅にはない」のであまり目立ちません。それよりも歪曲収差により各直線が曲がることが目立ってきます。特に17-40mmの樽型収差はかなり目立ちます。

また四隅の解像感は前回同様、等倍の部分画像を並べたものでご覧いただきます。

【左上】
20130608f

【右下】
20130608g

さすがに17mmともなると四隅は甘くなります。その中でTS-E17mmは素晴らしい解像をしています。(もっともTS-E17mmでもフルでシフトするとそれなりに甘くなりますが、それは次回に)

 


17-40mmでは盛大な樽型の歪曲収差が気になります。しかし、最近の「収差は後からソフトで処理をする」という考えに立てば、それもそんなに気になるものではなくなってきました。

Photoshopでの「レンズ補正」(歪曲収差・周辺減光)、DPPでの「DLO(デジタルレンズオプティマイザ)/レンズ補正」(諸収差・回折・歪曲収差・周辺減光)で処理すれば、隅々まで解像した画像になります。

下は上でご覧いただいたEF17-40mmF4のRAWデータをPhotoshop(正確にはその「Camera Raw」機能)、DPPでそれぞれレンズ補正をかけたものです(各々クリックで1200×800pxに拡大します)

20130608h

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Photoshopでの補正は歪曲収差と周辺減光のみなので、「解像」に関しては特に補正がなく、四隅を「引き延ばす」ため、どちらかといえば解像感は低くなっていますが、DPPのDLO処理では四隅の解像もしっかり処理できます。

20130608m

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こうなってくると、「特に優れたレンズ」ではなくても、クリアな「使える写真」を得ることが簡単になってきているのですが、シフト(やティルト)を必要とする建築写真などではTS-Eレンズは必需品です。

現状ではTS-Eレンズに「自動でレンズ補正を掛ける術がない(レンズセンターが画像センターとは限らない)」ため、レンズ補正データはPhotoshopにもDPPにもありません。そのため、処理にたよらずクオリティの高い画像を得るためには、非常にクオリティの高い設計で作らざるを得ず、非常に高価なレンズとなっています。

しかし裏を返せば、今後、レンズシフト量、ティルト量がデータ化される方式が確立できれば、そこそこのクオリティで後作業まかせの安価なティルト・シフトレンズもできるかもしれませんね。

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2013年6月 2日 (日)

TS-E24mm F3.5L IIと他の24mmレンズ

20130601a

 

TS-E24mm F3.5L IIは私にとっては非常に大事なレンズです。広角域が必要とされる仕事は建築写真やインテリア写真なのでシフトが必要となり、24mmの画角決め打ちの場合はこれしかありません。

キャノンの単焦点24mmは他にF1.4と2.8がラインナップされていますが使ったことはありません。しかしズームはいくつか持っていますし、最近 EF24-70mm F4L IS USM を購入したこともあり、24mm域のレンズ比較など行ってみたいと思います。

私の所有するTS-E24mm以外のレンズで、24mm域をカバーするのは SIGMA 12-24mm 1:4.5-5.6 DG HSM (旧タイプ)、EF17-40mm F4L USM とEF24-70 F4ですが、 EF24-70 F4はEF24-105からのリプレースです。

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画像比較といえばテストチャートでの比較がある意味では有効です。私も過去、自作のチャートを写すことをしていました。

20130601c 20130601d 20130601e A3程度の紙ですから撮影距離40cm程度です。その距離で写すことは実用上まずないので真価を判断するには不適切とは思いますが、歪曲収差の程度や周辺減光の程度を判断するには良いでしょう。

EF24-70mmはチャートを撮っていないため3点の比較となります。(各々クリックで1200×800pxに拡大します)

いずれもEOS5Dmk2 F8 1/10 ISO100での撮影です。

見ておわかりのように、SIGMA 12-24mmは樽型の歪曲がほとんど見受けられないのですが、周辺減光は著しいです。

EF17-40mmは24mm域ともなるとかなり良好な歪曲で周辺減光もほとんど気になりません。

まあ、このようなチャートデータでの比較は、海外も含めそれ専門に行っているサイトがありますので、そちらをご覧いただくほうが、データ値も得られます。

さて、建築写真で広角レンズを使う場合、正対して撮る際に歪曲収差はかなり気になります。実際にそれなりに距離を撮った写真で判断しましょう。(こちらも各々クリックで1200×800pxに拡大します)

なお、いずれもEOS5Dmk3 F11 1/8 ISO200での撮影で、AWB、ピクチャースタイル:スタンダードのJPEG撮って出しを無加工でサイズだけ縮小したものです。

20130601g_2 20130601h 20130601i 20130601j

同じ「24mm」でも広がりが若干異なることは皆さんご存じでしょう。TS-E以外はズームで、17-40mmはズーム中域なので厳密に「24mmか」といえばなんとも言えませんが、他の2点はテレ端、ワイド端なので指標の合わせミスはありません。

歪曲収差を減らすために周辺を「引き延ばし」されたレンズでは周辺の形状が「変形」することは左下のボールでよく分かりますが、歪曲収差のこのくらいの差ではその変形度合いは大して変わりません。

それよりもやはり、水平垂直の線がしっかり出ていないとどうにも収まりが悪いのは、24-70mmの写真で明らかでしょう。それ以外の3点はかなりいい線をいっていますが、やはりSIGMA12-24が一番きれいな直線に見えます。

さて、パッと見、SIGMA12-24が良さそうなのですが、このサイズや拡大したサイズではあまり気にならない四隅の解像感は等倍でみるとかなり差があります。

まず左下のボール近辺(クリックで1200×800pxに拡大します:等倍画像)

20130601k

そして右の自転車の後輪近辺(クリックで1200×800pxに拡大します:等倍画像)

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ボールのほうは光の具合が異なるため判断しづらいのですが、後輪の比較写真でお分かりのようにSIGMA12-24mmはかなり「流れて」います。この旧型は設計の古いレンズで、2年前には後継機が出ており、そちらは四隅の解像はかなり上がり周辺減光も減ったようですが、一方その犠牲で歪曲収差はかなりあるようです。しかしこのレンズ、なにしろ12mmはじまりで軽い便利なレンズですので、後継機に買い換えることなくまだまだ使っています。

EF17-40mmも周辺解像はよくありません。しかしこちらも軽量な広角ズームレンズ。使い道はしっかりあります。

EF24-70mmは最新のレンズだけあり、ワイド端であるこの24mmでの周辺の解像、たいしたものです。正対では歪曲収差は若干目立つものの、斜めのアングルではあまり気になりません。マクロ機能も取り入れた、なかなか良い「キットレンズ」ではないでしょうか。

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