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2013年9月の4件の記事

2013年9月29日 (日)

マルチアングルアームが流行ってますね

20130929a

 

三脚トップに取り付け、自由な方向に「張り出す」アームの品ぞろえが増えてきました。写真左上の ベルボン フリーアングルEVシステム V4-unit は1年半前から出回っていますが、今回、スリックが写真右下の スライディングアームII を発売しました。

過去、「真俯瞰撮影用のツールを考える -1」の回 に真俯瞰撮影時に三脚に付けるパーツとして「サイドアーム」を説明しました。

20130929b

20130929c 当時はサイドアームといえば、水平に張り出すタイプのものがジッツオから G532(写真右) をはじめとした3点(G532と、より堅固でギア移動できるG535、簡易なG530)あった程度だと記憶しています。

 

20130929d また、オフセットタイプのセンターポールを持つ三脚は、ジッツオ、マンフロット、+中国メーカーだったと思うのですが、その後、中国メーカーとはいえなかなかの品質のバンガードが「MACC(マルチアングルセンターコラム)システム」として完成度を上げてきたことで流行ってきたようです。

三脚を動かさず、カメラ位置を三次元的に移動できる(もちろんアームの範囲内だけですが)ということが、現場で便利なカメラマンはジャンルによって多いようで、バンガードのこのシステムはかなり受け入れられているようですね。

そこで ベルボン、スリックは既に持っている三脚に取り付けられるものとして(あるいはそのユニットをセットにした三脚を)出したようですが、それぞれ特徴が違うので、(そのいずれも持っていませんが)取り上げてみました。

20130929ef ベルボン「V4-unit」(左)もスリック「スライディングアームII 」(右)も写真のように、三脚取付部にスイベル(パン)、ティルトの機能を持っており、なおかつアームが前方にスライドします。スライド移動量はV4-unitが205mm、スライディングアームIIは370mmですが、この差は両者のアームのコンセプト、構造に起因しています。

20130929g V4-unitはパイプが二重構造になっていて中のパイプが移動。その移動はクランク回転のギアで行うので微調整も可能です。またパイプ後ろ半分(外パイプ)は「操作アーム」の役割を果たし、なおかつエンドについたグリップを回転することでティルトの固定・解除を行います。

従って、重たいカメラを搭載しても、その重量を操作アームを片手で支えながら移動や固定解除を可能としています。

20130929h 一方、スライディングアームIIはパイプ長すべてをスライドさせる方式なので、全部伸ばすと重心がかなり前に出て三脚が倒れます。そのためエンドにはカウンターウエイト用のフックがついています。

また、雲台取付部は着脱可能な「アングルアダプター」になっているため、これを外し、カメラを直付けすれば真俯瞰用に適した状態になります。

いずれもジッツオのものより格安で1万円以内で購入できますが、ただ水平に繰り出すだけのジッツオのものに比べ使用シーンが格段に広そうです。

三脚というものは意外に設置面積がとられるものですが、そこからオフセットした位置にカメラを設置でき、上下にも移動できるのですから、様々なシーンで活躍しそうです。

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2013年9月22日 (日)

出張撮影での小物撮影用ブース

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20130921c 前回は自宅で使う方法をお伝えしましたが、マンフロットの ミニクランプ 171 と「銀一ポール」の組み合わせは出向いて小物の撮影をするときにも重宝します。(2013.10.06 「銀一ポール」はもう入手できないという情報をコメントでいただきました)

そもそも、客先で撮影する場合は会議テーブルなど「撮影台」となるものを用意してもらいますが、そこで最適なライティングと背景を作り込むには、一般的な解釈なら最低4本のスタンドが必要となります。後ろ2本でバックペーパーを垂らし、天トレもその2本を兼用してサポートして、手前に引き出した前縁を吊るのにまた2本というわけです。これにライト用にスタンド+ブームも必要となるでしょう。

ところが、4本ものスタンドを立てると脚だらけ。邪魔なことこの上ない。またトレペをサポートする場合、スタンドは横向きの引っ張りの力には負けやすく、すぐ倒れ込んでくるので脚に乗せるウエイトも必要になったりします。

そこで、ポールをクランプで固定する方法にすれば、テーブルそのものがウエイトとなって「立っているだけのスタンド」より頑丈なものになります。

そして 「撮影補助具 ディフューザーでの使用」の回 にご紹介した、アルミパイプを2辺につけたPP両面マットディフューザーを、この場合にはアルミパイプの中を通したゴム紐でつなげたクリップでポールに固定します。このメリットは撮影台の横幅が変わっても装備が変わらない点です(だからゴム紐の長さは1mあります - これで2m以上の巾に対応)。

また、バックペーパーを保持しているのは、右下のような既製品メスメスアダプターを加工した、自作のスライドアームブラケットです。当ブログではおなじみのエツミ 止ネジ短 E-521 を固定ネジにした16mmパイプ上をスルスル移動できるダボ(先端が1/4ネジ穴)です。(当ブログで何回も出てくるエツミ E-521は最近生産完了したようです 便利なのに… 代替は中国製でamazonなんかで買えます 2015.05.17)

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こちらもバックペーパーの芯を両方から短い長さで保持するだけなので、 ペーパー巾すべての長さのパイプやポールを用意する必要はありません(従ってロールの抜き入れが楽です)。

横巾の広いテーブルに短い巾のもの吊る場合には「銀一ポール」で延長します。また横棒がダボになっているのは、これを90度振って、通常のスタンドの上に16mmのパイプ(「銀一ポール」)を横使いで支え上げるためにも使うからです。

20130921e

タイトル写真のセットは60×90cmのテーブルに58cm巾のロールペーパーを吊り、天トレは42×66cmのものをセットした状態ですが、4本のポールは長さが50cmのもの。

プロ機材 フレキシブルアーム AAA-4074マンフロット ナノクランプ 386BC でポールに固定すれば撮影品にポーズを付けたり、レフを固定することも簡単。そしてポールはテーブルにしっかり固定されているのでズレたりブレたりしません。

4本の垂直棒をすべてスタンドで行う場合に比べ、機材はこれだけ減ります。スタンドの場合にはロールペーパー用に横に渡すパイプも加味しましたが、トレペもロールの場合、前縁を貼りつけるパイプも必要になりますね。

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とにかくステージのサイズが変わっても機材量はほぼ一緒です。ロールペーパー、トレペそれぞれを保持するのにその巾以上のパイプが必要とされるところ、トレペにはすでにパイプがついていてそれをゴム紐で巾調整、バックペーパーも両端さえ掛かっていればOKです。

過去、この方式で1.2×2.0mのテーブルの上にハーフサイズ(l=1350mm)のロールペーパー、1250mm巾のトレペを吊って撮ったこともあります(さすがに高さは50cmでは足りないので継ぎ足しで1m以上にしましたが)。

この手のものは、それ専用のものがあったりするのですが、私はなるべくそれぞれのパーツが応用の効くものにしておきたいので、こんなものも自作加工で用意してます。

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2013年9月14日 (土)

私の撮影ブース(撮影コーナー)

20130914aやっと病状もよくなり長時間の座り作業ができるようになりましたが、さすがにたまった仕事を処理するので手いっぱい。ブログのほうにはなかなか手がまわりませんな。

今回は、過去何回かちょこっと写っている私の撮影コーナーの話でも。

一応写真でも食っているとはいえ、しっかりしたスタジオが持てるはずもなく、撮影仕事も小さめのブツ撮りがメインのため、一般にいうところの「書斎レベル」の仕事場の一角が頻繁に使う撮影コーナーです。

写真①は仕事机の天板ですが、この天板は特注のもので巾210・奥行55cmの白半ツヤのデコラ貼りの天板のみのものです。これを部屋の左右の書棚の棚板に渡してあるのですが、棚板にカブるので有効部分は巾170cm。

同じように書棚上部の棚板にも棚板材を渡しています(写真②)。両者とも乗せてあるだけなので前後にスライドすることが可能です。

そして書棚中間にはアルミパイプを渡し、バックペーパーを下げるのに使っています(写真③)。高さのあるものを撮る場合には棚板を渡している段で使います。

さてここからが、便利パーツのご紹介となるわけですが、

20130914b ④はマンフロットの ミニクランプ 171 というもので、本来はΦ35mmまでのパイプに様々な機材を固定するためのものです。縦方向に開いた穴に16mm/17mmのダボ(スピゴット)がつけられるようになっています。

パイプ取付用とはいえ、机などの平らな板に固定することも可能ですが、クランプの平らな面が小さいため大きな面取りのある板には固定ができません。

20130914c_2

20130914d そのままでも平らな板(角がしっかりついたもの)をくわえることはできるのですが、パイプ用になだらかな凹面がつくってあり、平らな部分の奥行が1cmほどしかないため、しっかり締め込むと板表面に傷がつくおそれがあります。

そこで私は、短冊状に切ったコルクを貼って使っています。

さて、このクランプの本来はダボを付ける穴。直径17.5mmですが貫通しているため、過去何回かご説明した、銀一の16mmシステムパイプを通し、高さの調節のできる「吊り下げポール」として利用します。 

写真の⑤にあたる、この「銀一ポール」(何回も言いますが正式な名前がわかりません)。16mm径のアルミで両端が1/4のオス、メスになっていて連結できる、長さに30cm、50cm、80cm、100cmとバリエーションのあるものです。これの適切な長さを連結して高さがちょうどよくなるようにします。また上端には エツミ 止ネジ短 E-521をつけ落下を防止しています。( 「銀一ポール」「エツミ E-521」はともに生産完了品です 2015.05.17

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このセットをふたつ吊り下げているのですが、横方向の間隔はクランプの取付位置で自由に調整できても、前後(奥行方向)は片方を棚板の向こう側に取り付けても棚板奥行(20cm)の固定値しかできません。そこで片方にはフレキシブルアームをつけて自由度を高めています(写真⑥)。

20130914f プロ機材 フレキシブルアーム AAA-4074 というものですが、全長32cmのプラスチックパーツを継いだタイプのものです。

400gぐらいのものなら好きな位置・向きに固定できます。LEDライト Camlight PL-88 (質量410g)でも好きな位置に固定できますので、これで一応は十分なのですが、これ以上に重いものを固定するとなると がっちりしたクランクアーム が必要となるでしょうね。

20130914g このようなセットがあれば、ライトとディフューザーの距離を調整して好みのライティングを行うことも可能です(右写真ではディフューザーとして乳半アクリルを使っています)。

専用のスタジオではないため、他の作業の邪魔にならず、かといって設置に時間のかかるものでは困るため様々な試行錯誤の末に落ち着いた方法です。

もちろん、もっと大きなものや、ライティングをしっかりやるため後ろ側に空間が必要な場合には、しっかりしたセットを組むのですが、白バックのちょっとした商品写真や当ブログ用に撮る場合にはほとんどこれで済ましています。

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2013年9月 1日 (日)

もしも月が静止軌道にあったら

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今回はカメラ関係のネタではありません。

実は昨日まで数日、手術&入院でした。病状は情けなく恥ずかしいので伏せますが「お尻の病気」です。入院前の数日は自宅ベッドでかなりうなされてたのですが、その時、夢でとても大きい月に見入ってたのをネタにしたいと思います。

なぜか「月が地球の静止軌道上にあり不動なので、よく見える土地まで旅行する」という夢なのですが、その場合、月はどのくらい大きくなるかご存じですか。

月公転軌道は約38.5万キロメートル。一方、地球の静止軌道は赤道上空3.58万キロメートル(中心からではない)。約1/10の距離に近づくわけです。従って大きさは実際の約10倍になります。視直径では5度ぐらいです(現実は約0.5度)。

唯一このブログに沿った写真ネタにするなら、フルサイズで焦点距離2000mmでやっと画角いっぱいになる実際が、200mmレンズでも十分に写せるということになります。

 


さて、潮の干満の原因である潮汐力は太陽、月双方から受けていて月のほうが約2倍の力があります。その潮汐力は距離の三乗に反比例します。距離が1/10となると潮汐力は1000倍です!

実際の干満は月も地球も動いていて理科の教科書にあるような月に向かって膨れ上がるわけではないのですが、それぞれが停止した状態での計算 -静力学的潮汐理論による計算- では赤道付近での潮汐力による海の盛り上がりは0.5mだそうですからその1000倍といえば500m!仮に日本の経度の赤道上空に月があれば、その直下および真反対(ニューギニア島とブラジル)は完全に水没。逆に両極は水が引き、南極と南米大陸はつながり、ベーリング海はふさがり、地勢は大きく変わるでしょう。

またちょっと考えれば、今の1000倍の潮汐力に地球の地殻が対抗できるとは考えられず、そもそも今の大陸のレイアウトすら違っており、地震・火山噴火の頻度は相当なものでしょう。

一方、奇跡的な偶然で太陽・月の視直径がほぼ同じであったことが人類のものの考え方 -文化- (宗教、哲学、科学)に与えた影響にも考えが及びます。

太陽と月が大きさが違い、片や1日で天球をひとまわり、片や天球の同じところにいつもいるという状況では、地動説に行きあたるまで実際よりずっと早かった可能性があります。スターウォーズのデススターよろしく、大きく、昼でもかなりの明るさに見えるものが空にあったら、天体望遠鏡が発明される前から詳細が検討されたことでしょう。

物理的に容易に到達しやすい位置にある月なら現実よりずっと早く宇宙への進出があったかもしれません。また「軌道エレベーター」も、人工衛星で作るより楽な月が相手ですからすでに建設済かもしれません。

こんなとりとめのない空想に没頭できることは、仕事が忙しいとなかなかできませんが、根っからこんなバカな空想が好きでSFも好きな私は、こんな病気なときにでも結構楽しんでました。

これから夜空がきれいになるシーズン。中秋の名月も近づいてきました。たまにはいつもより広い範囲に空想をひろげてはいかがでしょう。

 


20130831b 実は、この夢はとらえどころのない私の脳内の産物ではなく、出所がはっきりわかっています。

ニール・F. カミンズ著「もしも月がなかったら」 という20年前に書かれた本(日本語版は1999年)で、私はこの手の科学ものの本をかなり読んでいますが、ずばり「静止軌道に月がある」シミュレーションこそないものの、表題でもある「月がなかったら」「太陽がもっと大きかったら」など、地球の置かれた絶妙なバランスを解説することが根底の科学書ですが、最終章では「もしもオゾン層が破壊されたら」と、当時科学界で危機的に扱われていた事柄で締めています。

リンクのように、現在でも入手可能なので、興味のおありの方はご一読あれ。

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