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2013年9月 1日 (日)

もしも月が静止軌道にあったら

20130831a

 

今回はカメラ関係のネタではありません。

実は昨日まで数日、手術&入院でした。病状は情けなく恥ずかしいので伏せますが「お尻の病気」です。入院前の数日は自宅ベッドでかなりうなされてたのですが、その時、夢でとても大きい月に見入ってたのをネタにしたいと思います。

なぜか「月が地球の静止軌道上にあり不動なので、よく見える土地まで旅行する」という夢なのですが、その場合、月はどのくらい大きくなるかご存じですか。

月公転軌道は約38.5万キロメートル。一方、地球の静止軌道は赤道上空3.58万キロメートル(中心からではない)。約1/10の距離に近づくわけです。従って大きさは実際の約10倍になります。視直径では5度ぐらいです(現実は約0.5度)。

唯一このブログに沿った写真ネタにするなら、フルサイズで焦点距離2000mmでやっと画角いっぱいになる実際が、200mmレンズでも十分に写せるということになります。

 


さて、潮の干満の原因である潮汐力は太陽、月双方から受けていて月のほうが約2倍の力があります。その潮汐力は距離の三乗に反比例します。距離が1/10となると潮汐力は1000倍です!

実際の干満は月も地球も動いていて理科の教科書にあるような月に向かって膨れ上がるわけではないのですが、それぞれが停止した状態での計算 -静力学的潮汐理論による計算- では赤道付近での潮汐力による海の盛り上がりは0.5mだそうですからその1000倍といえば500m!仮に日本の経度の赤道上空に月があれば、その直下および真反対(ニューギニア島とブラジル)は完全に水没。逆に両極は水が引き、南極と南米大陸はつながり、ベーリング海はふさがり、地勢は大きく変わるでしょう。

またちょっと考えれば、今の1000倍の潮汐力に地球の地殻が対抗できるとは考えられず、そもそも今の大陸のレイアウトすら違っており、地震・火山噴火の頻度は相当なものでしょう。

一方、奇跡的な偶然で太陽・月の視直径がほぼ同じであったことが人類のものの考え方 -文化- (宗教、哲学、科学)に与えた影響にも考えが及びます。

太陽と月が大きさが違い、片や1日で天球をひとまわり、片や天球の同じところにいつもいるという状況では、地動説に行きあたるまで実際よりずっと早かった可能性があります。スターウォーズのデススターよろしく、大きく、昼でもかなりの明るさに見えるものが空にあったら、天体望遠鏡が発明される前から詳細が検討されたことでしょう。

物理的に容易に到達しやすい位置にある月なら現実よりずっと早く宇宙への進出があったかもしれません。また「軌道エレベーター」も、人工衛星で作るより楽な月が相手ですからすでに建設済かもしれません。

こんなとりとめのない空想に没頭できることは、仕事が忙しいとなかなかできませんが、根っからこんなバカな空想が好きでSFも好きな私は、こんな病気なときにでも結構楽しんでました。

これから夜空がきれいになるシーズン。中秋の名月も近づいてきました。たまにはいつもより広い範囲に空想をひろげてはいかがでしょう。

 


20130831b 実は、この夢はとらえどころのない私の脳内の産物ではなく、出所がはっきりわかっています。

ニール・F. カミンズ著「もしも月がなかったら」 という20年前に書かれた本(日本語版は1999年)で、私はこの手の科学ものの本をかなり読んでいますが、ずばり「静止軌道に月がある」シミュレーションこそないものの、表題でもある「月がなかったら」「太陽がもっと大きかったら」など、地球の置かれた絶妙なバランスを解説することが根底の科学書ですが、最終章では「もしもオゾン層が破壊されたら」と、当時科学界で危機的に扱われていた事柄で締めています。

リンクのように、現在でも入手可能なので、興味のおありの方はご一読あれ。

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コメント

おお、理論的だ。SF好きでありましたか。
わたしもかつてハマッたことがあります。
映画「2001年」からはじまりました。
Sience方向ではありませんがトマス・M・ディッシュの「歌の翼に」、「334」などに浸ってしまったくちです。
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年齢とともに体の故障は出てきますね。
夏のイベント、祭りの撮影などで足腰の衰えを痛感しております。
お体に気をつけて、ご痔愛のほど。

投稿: pink | 2013年9月 3日 (火) 13時24分

スペルミス訂正、Scienceでした。
最近知り合った方がカメラ好き、夜空の星を撮影するのが趣味でした。
機材が重い、金欠、撮影は寒くてたいへん…などなど
とても楽しそうでした。いろんな楽しみ方がありますね。
と、カメラ談義で盛り上がっていたら、
向かいの席には鉄っちゃんが居ました。(笑)

投稿: pink | 2013年9月 3日 (火) 17時54分

いつもありがとうございます。

トマス・M・ディッシュですか。いいですね~ と自分の蔵書を見たらディッシュのは1冊もない?ビッグネームなのに?

SFは文庫本で200冊はあるのですが、アンソロジー集などにもディッシュの作品がないのでびっくりしました。

ディッシュの作品はサンリオSF文庫にあったはずですが、サンリオSF文庫ってあっという間になくなってしまいましたね。

ここ数年はSFの本を買っていません。文庫本の小さい字が老眼で読みにくくなったせいもあるのですが、「SF好きの友達と話す機会がある」「SF雑誌で傾向をつかんでいる」という環境がなくなり、「これ 読みたい!」と買うに至るステップがなくなってしまったためのようです。

ディッシュ、探してみよう。

投稿: seimas | 2013年9月 9日 (月) 01時38分

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