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2014年7月の2件の記事

2014年7月17日 (木)

逆ティルト撮影(ジオラマ風ではない演出)

20140717a

 

「真のジオラマ風」にするには、逆ティルトのみでは雰囲気が得られにくいことを前回ご紹介しましたが、今回は、「ジオラマ風にするためではない大ボカシの使い方」の作例などを。(上も含めすべて 5DMarkII+TS-E90mm)

タイトル写真は左右方向にボカシを入れたのですが、この階段の手すりに手をかけながらモデルが歩いているなんてカットなら目的がはっきり分かることと思います。

20140717b

これはジオラマ風に近いですね。スケールアウトした鉄製の椅子の華奢な感じが強調されると思います。

20140717c

ジオラマ感(ミニチュア感)を演出するには見下ろして撮るほうがそれらしくなりますが、水平に近いアングルでも、不思議な奥行き感が得られる被写体があります。

20140717d

これは完全に、看板を強調するために使用した例です。

高い場所にあるペデストリアンデッキを表現し、下に写り込む樹木は通常のピントではくっきり写ってうるさいのでぼかしました。それでも色が濃くうるさいので下の方を明るくしてしまえば完璧になるでしょう。

20140717e

「強い日差しの下、車が木陰で休んでいる」というようなイメージです。主体である車のフロントグラスにピントに合わせ、複雑で数の多い葉をぼかすことで、日差しの強さもでていると思います。

20140717f

明るいレンズなら開放で撮れば背景は十分にボケるアングルですが、左右のボカシをより多くしてみました。通常ならピントがきてしまう水流部分も十分にボケています。

もちろん構図によるのですが、ボカシ効果は長辺方向のほうが大きいので、縦位置写真が多くなる傾向が私にはあります。

大ボカシを積極的に取り入れた面白い作品づくりを考えていただける参考として取り上げてみました。

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2014年7月 6日 (日)

ジオラマ風(ミニチュア風)写真

銀座線ジオラマ

 

TS-Eレンズに関する記事で何度か取り上げたジオラマ風(ミニチュア風)写真。当ブログでも ギャラリー を設けていますが、「TS-Eレンズのみでどれだけ表現できるか」に主眼を置き、特に他の加工を施していないものを載せています。

タイトル写真は、現在は解体作業に入っている渋谷の東急東横店から出てくる東京メトロ渋谷線を撮った2年ほど前の写真ですが、ティルトを使っていません。逆ティルト撮影でとったものがこちらですが、

20140706b

20140706c かなりジオラマ風に見えるとはいえ、違和感があると思います。このような立体構成を撮るといろいろな箇所が破たんしています。

ピントを合わせたい先頭車両からすればずっと奥にある場所にピントがあっていたり(1a,1b)、撮影場所からほぼ等距離なのに(それどころか上ほど近くなるはずなのに)上にいくほどボケていたり(2)、もう少しピンがきていてもいいところがボケ過ぎていたり(3a,3b)と、被写界深度が浅い場合に発生するボケとは違うところがたくさんあります。

下の図のように、ピント面、被写界深度の成り立ちが、実際のミニチュアを撮ったときのようにはできていないことが一番の原因です。

20140706d

またタイトル写真は、コントラストや彩度をかなり上げていますが、ミニチュアらしい質感まで表し、より「それ風」に表現するのだったら、それらの調整も必要となります。当ギャラリーの写真はレタッチしていませんが、現場の光の具合がいい場合にはノータッチでもミニチュアらしさが出ることもあります。

そこでティルトレンズを使用しないで、よりミニチュア風に見えるようにPhotoshopで加工してみましょう。

20140706e

元となる写真はパンフォーカスです。これの適切な場所をぼかしていきます。クイックマスクの扱いに慣れていれば、どのようにすれば良いかはおわかりでしょうが、画面右の建物ファサードが右ほどぼけていくようなボカシの作業では、左全体をベタ塗りし、建物部分を左から右にかけて透明になるようなグラデーション塗りのマスクをかけます。

20140706f

Photoshop CS6には新たに「フィールドぼかし」「虹彩絞りぼかし」「チルトシフト」の3つの「ぼかしギャラリー」が追加され便利になりましたが、旧バージョンの「ぼかし(レンズ)」でもグラデーションを上手に使えばボケのコントロールが可能です。

20140706g

ボケの量をそれぞれの部分で上手に案配すれば、実際にミニチュアを撮ったような周囲のボケを作りだすことができます。この作業に加え、コントラストをかなり強く、そして彩度もかなり強くすれば模型のような質感が出ます。

20140706h

もとの写真が縦位置で、まわりの要素が多いので作業は複雑ですが、このくらいに仕上げるのに30分ぐらいです。まだまだ追い込んでアート性(より模型らしさを出す)を上げることもできますが、こんなところで十分に雰囲気がでていると思います。ただ、道路や橋脚のあたりが若干不自然なので、大胆にトリミングしたのがタイトル写真です。

同じようにPhotoshopのみでジオラマ感を出した作例として、俯瞰の度合いがかなり低いものを挙げます。右に松の木がありますが、ティルトで撮ると上半分はボケてしまいミニチュアを撮った風にはならないのですが、Photoshop上でボケを加工していくのならどんなアングルの写真でも自在です。

20140706i

20140706k

 

20140706l 今やほとんどのコンデジにエフェクトとして「ミニチュア」モードがついていますが、それにせよ、ティルトによるミニチュアライズにせよ、ミニチュア風に見える条件は結構限られていて、多めの俯瞰角度で、被写体はなるべく平らなもの。適度にまばらに分散されているなどが必要でしょう。実際、世の作品をご覧になれば、だいたいはそんな撮り方をしていることがお分かりいただけるでしょう。

ティルトで「見かけの被写体深度を深くする方法」をさんざんご紹介し、「平らなものに向いている」ことはおわかりでしょうから、それと同じ原理だということです。

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