一脚用補助脚
ここ数年、一脚のバリエーションが増えてきました。その昔は知る人ぞ知るというアイテムだった一脚、一般の方にも随分認知されましたが、やはり小型のカメラシステムではあまり用のないもの。しかし2年ほど前から主に「ビデオに便利」ということで小さな三脚型の補助ステーの付いたものが随分目立つようになってきました。
私の撮影では必要とされる場合が思いつかず、購入しようと思ったことがなかったのですが、最近、「こんな場面ではイイかも」と思えるシーンが出たので試してみることにしました。
過去の 「撮影機材 ある日の荷物」 や 「TS-Eレンズ インテリア撮影用雲台の考察」 でご紹介している展示会の撮影では、展示ブースの撮影を2時間で200~300カット撮らなければならないのですが、今年もその仕事が入りました。
会場はISO800でもf9で撮ろうとすると1/15秒になってしまうような空間です。もちろん広報資料に使うような会場全景の写真は三脚を立てて撮りますが、どのパネルにどんな商品を展示したかの記録写真も必要とされているため、TS-E17mmでパネルに正対しての撮影となります。当然、都度マニュアルでピントを合わせる必要はあるし、手ぶれ補正もないレンズなので、手持ちと言う訳にはいきません。三脚使用では枚数をさばけませんし、ブースの狭い空間でちょうどよい撮影位置を確保するには一脚の出番となります。
こんな時にこの補助脚は有効だと考え、補助付一脚の使用を考えたのですが、新規に買うのも嫌だし、かといって既に持っているVelbon Ultra Stick R50では石突が取り外し不可でパイプも抜けないのでいい方法がなく、思い切ってジッツオの三脚を一時的に改造しようと思い立ちました。
私の持っている細いほうの三脚、GT2542L。最下段をGT3540Lと入れ替えている(どういうことかは 「GITZO三脚の裏ワザ 脚長の延長」 をご覧あれ)ので短めの3段です。
ジッツオの石突は非常に細い最下段の場合を除き、太ネジ(3/8インチ)の仕様になっていますが、他のメーカーではBENROもそれに準じています。そのBENROから一脚用アクセサリー「スリーレッグ」 VT1 が出ています。
これを2本の脚をはずした三脚に取り付けます。
脚の根元の止めネジはトルクス(ヘックスローブ)ですが、三脚に付属の2個のレンチで両側のネジを逆回しにしてはずしていきます(私の所有する三脚は中古で買ったのでレンチがついていませんでしたので、GK1580TQR5についていたレンチを使用しています)。中段のパイプにはちょっとしたハンドルを取り付け、完成形は右上のような姿になります。このハンドルが私の改造のキモです。
これはリモートスイッチ RS-80N3 に雲台 LPL MH1004 、クランプ マンフロット 386BC、パンプロダクトのグリップ を組み合わせたものです。雲台、クランプは当ブログでは何回も登場しており皆さまお馴染みとなったでしょうが、最後のカメラグリップははじめて紹介します。ブロー成型のプラスチックに発泡ウレタンの表面をつけた重量わずか40gの全長120mmのものですが、ミニ雲台やミニクランプと同様に様々なシーンで活躍しています。
固定は黒パーマセルなのでご愛敬ですが、こんなハンドルでもあると腰の辺りでしっかりと一脚をサポートでき、絞りSSはほぼ不動のため、左手はピントリング(およびシフトノブ)右手はシャッターブレの起きにくいレリーズに専念できます。
そして前後のティルト台となる脚の根元は後ろに若干セットバックするので、重いレンズで前が重くなっても重心が脚センター近くになり安定するし、真俯瞰に近いアングルに傾けることも可能です。
ハンドルがあるおかげで移動→セッティングが楽、基本水平がとれているのでアングルが決まるまで、ただの一脚や三脚を使うより断然スピーディーです。
なお、このVT1にはもう少しご紹介したいポイントがあるのでそれは次回にします。
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