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2014年12月の4件の記事

2014年12月30日 (火)

便利グリップの様々な使いかた

20141229a

 

20141229b 「一脚用補助脚」の回 で一脚を安定させるためのハンドルとしてご紹介した、パンプロダクトのグリップ。それ以外にも様々な用途で愛用しています。

ブロー成型のプラスチックに発泡ウレタンの表面をつけたもので、34mm径で全長120mm、重量わずか40gという大変軽量なものですから、バッグの容量に余裕があれば忍ばせておいて損はないグッズです。

トップにはカメラネジ。ボトムにもカメラネジの受けがあります。

20141229c これにリモートスイッチ RS-80N3 に雲台 LPL MH1004エーディテクノのCL5585H を取り付けると、「モニター付レリーズ」になります。

5インチの液晶であるCL5585Hは「CL5585Hを三脚に付ける」の回にご紹介したように、カメラ位置が高い場合の構図チェックに便利な外部モニターですが、三脚に固定しづらい現場(移動が多く、三脚固定では不安)のときは手持ちで使う方が便利なため組んでみたものです。何回か話に出てきた展示会の撮影ではこれを活用しています。

20141229d カメラからはリモートケーブル、HDMIケーブルと2本もケーブルが出て、特にリモートケーブルは80cmしかないためそれほど高いカメラ位置にはできませんが、2.0m前後の「頭ひとつぶん高い」撮影時には便利です。

ただし、モニターを片手で持っているため、カメラの操作はもう一方の片手のみで行えるもの限定となります。

ピントやティルト、シフトは片手で行えるので、TS-Eレンズでのインテリア撮影でも問題ありません。

雲台の操作が一番やっかいですが、私はギア雲台を使用しているので問題なし。ギア雲台さえ使用していればオートフォーカスレンズでも手元のリモートスイッチで半押しで問題ないのですからどんな被写体でも使えるでしょう。(ただしプレビューモードではフォーカスは遅いので動き物では無理)

20141229e もちろん、カメラグリップとしても使えます。最近は動画撮影時にハンドグリップを付けるのを良く見かけるようになりました。

テレビでも、出演者自らカメラを持って撮影するスタイルの番組も多くなりましたが、ハンディなムービーカムにハンドグリップを付けていることが多いですね。

また、ライトやその他手持ち機材のハンドルとしても便利です。ムービー撮影時に小型のLEDライトを使うのはすっかり普通になりましたが、カメラシューに付けると光の当たり方が良くない場合は手持ちになるでしょうから、この軽量のハンドルは便利です。

 

20141229f そして珍しい使い方としてご紹介したいのが、ロール背景紙の吊り下げパイプとしての利用。

一般的には右の写真のように「通し」のパイプにセットしますが、紙を上げ下ろしするにはスムーズに転がる反面、ホリゾントの曲率を変えるために紙を好みの位置に固定することができません。また巻き布の場合は自重で最後まで落ち切ってしまいます。

SDのメタルクリップ はそんな用途のために使えるものですが、ご紹介しているグリップを使う方法があります。

「出張撮影での小物撮影用ブース」でご紹介した短めのロール紙固定方法に一工夫し、このグリップにロール紙を下げるようにすると、適度な摩擦があるため、紙がズルズルと下がることがありません。

スタンドに固定されている部分はネジ固定ですが、ゆるめれば回転するため、好きな位置まで下げてそこで固定することが可能です。

なによりも短い部品だけでできているため荷物がかさばらないのが一番のメリットです。

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2014年12月20日 (土)

小型雲台・ミニ雲台 ふたたび

20141220a

 

前回の説明の中でミニ雲台が出てきたので、そのレポートなど。前回の説明にあったパンプロダクトの XXX Ball-Head “baby”(写真左)と、同じくパンプロダクトの “PowerBlack” (写真右)です。

スタジオブツ撮りでは機材や撮影物の保持用に小さい雲台があると便利なため、私は様々な小型雲台を持っていますが、「小型雲台 ミニ雲台」の回 以降増やした雲台なので同じようなレポートをしようというわけです。

20141220b 5DMarkIIと写すとその小ささが良くわかると思いますが、小さい割には耐荷重がかなりあるものです。

ボール径はbabyが18mm、Power Blackが25mmと、その大きさなりの径のもので、構造も、ボールの下に置かれた受け台を締めネジの先端側面で押し上げることでボールを締めつける仕組みの、この手のサイズのものでは一般的な構造です。

写真はbabyで、PowerBlackではカメラ受けプレートがネジに固着しているためはずせず、同じようには分解できませんでしたが、仕組みは同じです。

20141220c

20141220d 国産のミニ雲台だと細ネジにしか対応していないものが多いのですが、このブログで再三登場の LPL MH1004 と同様、太ネジにも対応していて使い勝手がよいものです。

基本構造は同じで、パッと見ではほぼ同じ大きさですが、使用感は大分異なります。

babyは割と滑らかに仕上げられたボールに対してPowerBlackは梨地の表面のためボールの回転は「ゴツゴツ」あるいは「ザラザラ」した感じです。

一方、カメラ受けプレートのゴムはbabyは柔らかく厚いため、しっかり締めても載せたカメラがフワフワした感じが残ります。PowerBlackのゴムは表面が細かい目で仕上がっていて、立ち上がった周囲のフチからちょっと出ている構造なので、最終的にフチでカメラを保持する安定性の高いものです。

20141220e

20141220f PowerBlackは締めネジを大型のものにして締めつけ力を上げていますが、そのせいで雲台下面より下までノブが回ってしまい、雲台プレートが大きい三脚では使えないため、小さいネジも付属しています。

ところが、この大きなネジで締めつけるのに比べるとトルクが小さくなってしまうため、その際には耐荷重は減ってしまうのが難です。

それぞれ飛び先のページにもあるようにカメラの保持にも大丈夫、PowerBlackに至っては重量レンズにも耐えますが、実際の耐荷重はどんなものか気になるでしょう。

20141220g そこで、「ボール雲台の耐荷重実験」の回 と同じく実験をしてみましょう。

90度(マイナス数度)傾け、プレートに取り付けた棒(L=30cm)の先にフックを付け、ボールセンターから吊り下げる オモリまでをどの雲台でも40cmとなるようにして、100gずつオモリを足して、ボールがズルッとずれるまで試します。

比較のためにMH1004に加え、カメラ用雲台 VelbonのQHD-41、QHD-51(いずれも生産完了品)も測ってみます。MH1004は上記のようなボール受けを横ネジで締める構造ですが、ベルボンの2点はネジを締めると縦に割られた本体が左右からボールを締める構造(両手でテニスボールを包むように持つイメージです)になっています。

20141220h

 

  LPL
MH1004
panproduct.
baby
panproduct.
PowerBlack
Velbon
QHD-41
Velbon
QHD-51
全高 47mm 54mm 57mm 63mm 80mm
基部径 24mm 30mm 34mm 33mm 44mm
ボール径 16mm 18mm 25mm 22mm 30mm
質量 49g 99g 104g 97g 178g

実験結果はこのようなものです。

荷重:kg 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 1.0 1.1 2.0 2.1
MH1004 × × ×   × ×   × ×
MH1004(弱) × × × × ×   × ×   × ×
baby ×   × ×   × ×
PowerBlack     ×
QHD-41 × × × ×   × ×   × ×
QHD-51   ×   × ×

「MH1004(弱)」というのは長年使って「ヘタってきた」個体です。かなり強引に締めつけ、ネジ先の変形や、それを受けるボール受け台の溝のヘコミ、果てはボールの変形などもあるでしょう。なにしろ極少の雲台ですからちょっとの変形が及ぼす影響は大きいようです。

ベルボンのものが意外に非力なのは、ボールがしっかり磨きあげられて微調整がしやすいことの反面でしょう。逆に非常に耐荷重のあるPowerBlackは先にも書いたようにザラザラしたボールのため、重量のあるカメラを載せた場合、微調整はしづらく感じられます。

ボール雲台にも様々なものがあり、用途に応じて使い分ける。あるいは緊急時に使えるサブ的なものを追加で持っておくなんてことの参考になればと思います。

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2014年12月14日 (日)

BENRO VT1 と Manfrotto 209

20141213a

 

BENRO VT1 に似通ったものとして、手元にある Manfrotto 209 についても触れておきましょう。これは一脚に付けるものとしては銘打っていない「テーブルトップ三脚」ですが、雲台取付ネジが太ネジのため、VT1同様ジッツオ一脚の補助脚として使えます。

20141213b

20141213cc 脚は下向きに畳まれるのでストッパー機能はなく雲台機構も持たないため、非常に軽量(100g。VT1は240g)ですが、VT1と同じような寸法に展開します。

両者ともに直径約250mmとなるので、ミニ三脚としての使用時でも、一脚の補助脚としての使用時でも、安定感は同程度です。

209はティルト機能がないので、微妙な水平調整は脚のしなりで対応できても大幅な傾きをつけることはできません。

もしそれが必要なら雲台を付けることになりますが、ネジが太ネジのため、日本のメーカーの小型雲台には候補があまりありません。

20141213d 右の写真で利用しているのはエーディテクノ CL75HOX に付属していたボールヘッド(自由雲台)ですが、小型軽量の割にはしっかり耐荷重があり、これ単品の製品がパンプロダクトで購入可能です。

XXX Ball-Head “baby” という製品ですが、この手の中国製パーツ、元の製品ブランドが特になく、OEMという訳でもなく、あちこちの製品に使われているので、よく探すとパーツだけで入手可能です。

これだけでは細ネジの仕様でそのままでは一脚の先につきませんので1/4→3/8インチのアダプターを付け、脚を傾ける時の抵抗はボールを締めるハンドルを調節することとなります。メンドクサイね。普通は雲台なしでもよいのではないでしょうか。ただこの組み合わせ、卓上三脚としてはかなり優秀ですよ。

さて、せっかくふたつ並べているので、寸法の差異をまとめておきましょう。

20141213e

一脚の先につけっぱなしにする場合は収納時に増える全長が気になりますが、VT1は上への跳ね上げ式なので5cmほどとそれほど大きくはないのですが、209は13cmほど長くなります。

20141213f

使用時の寸法はVT1のほうが、若干背が高い。ネジ長が長い。といったところですが、軸下のクリアランスが少ないのが気になります。室内や平坦な屋外では問題ありませんが、不整地では3ミリのクリアランスでは何かに当たってしまうこともあり得ます。

20141213g 屋外での使用に関しては209のほうにも気になる点があります。

脚の接地面は小さなコルク貼りになっていて、机上で使う場合には机に傷をつけずなおかつ変なフニャフニャ感がなくて良いのですが、屋外地面で使うとあっという間にはずれてしまいそうです。

しっかりしたアルミダイキャスト製で強度そのものには問題ないのですが、こういうパーツがなくなるのが厭な方には大いに気になる点でしょう。

20141213h そして209のほうにはもうひとつ問題点があります。ジッツオの三脚・一脚の現行品の石突きは「セルフロック式石突」と呼ばれる方式になっていて(詳しくは「GITZO三脚の石突を失くした」の回参照)ネジ穴に段差があるため、ネジ長が7mmでは足りません。

私の改造一脚は旧タイプの脚先となっているため使えるのですが、現行品をお使いの方にはお勧めできません。

いずれの製品もミニ三脚/一脚補助脚両方で万能に使えるようにはなってはいませんが、使い方に合っていれば便利なものだと思います。

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2014年12月 6日 (土)

BENRO VT1

20141206a

 

20141206b 一脚アクセサリー、BENRO 「VT1スリーレッグ」 は前回記事にしたような、「一脚の先につけて自立ができるように」考えられていますが、折り畳めば長さ115mm、直径70mmほどのプロポーションになる小型のものです。重さも240gとそこそこ軽量です。

一脚とは別に持っていき、使う時だけ取り付けるのは当然として、付けっぱなしにしても邪魔にならない(全長がそれほど長くならない)ように、3つの脚は跳ね上げ式になっています。

上に上がる方式だと、そのまま開いても固定はできないため、何らかの固定機能が必要となりますが、このVT1では「脚を完全に開けばバネで自動的に固定され、押すと解除され折りたたみが可能となる」ストッパーを使用しています。

20141206c

これでしっかりと一脚が自立しますが、地面が水平でなかったり凸凹していたりすると水平が取りづらくなる(若干の調整は一脚のしなりで可能です)ので、角度をつけられる機能も持っています。

オレンジ色のネジを緩めると、軸の下のボールジョイントが現れ、自由雲台と同じように軸が20度まで傾斜できます。しかし、自由雲台のように途中の任意の位置で固定するためのネジなどはなく、ボールの摩擦抵抗だけでもたせています。

20141206d

 

この器具、フォルムを見ればわかりますが、ロープロファイル三脚としても使用できます。20度までとはいえ自由雲台を持っているわけですから、あとは太ネジをカメラネジに変換すればOKです。私の場合はアルカスイスタイプのプレートに対応させたいので KIRKのクイックリリースクランプ-2.5インチ を付けてみます。上の写真でおわかりのようにネジが長い(14mm)ためワッシャなどスペーサーが必要です。

20141206e

20141206f ボールヘッド(自由雲台)を持っているとはいえ、任意の位置では固定できず、その摩擦だけで保持する仕組みですから、載せられる荷重はそう重くはありません。長く重いレンズでは前にカックンしてしまいます。

しかし、フルサイズ一眼でも軽いレンズならどの角度でも任意に固定できます。右はEOS5DIIIに50mmF1.4をつけていますが、この程度であれば自由な角度で止まります。仰角を付ける場合には重心がうしろに移動しますので安定します。ミラーレスなら一般的なズームレンズでも安定します。

20141206g このボールジョイントの抵抗を調節できるように、3本のネジを器具裏面で回せるようになっています(六角レンチは商品に付属しています)。

一脚での使用においては長い脚の先に重いものが取り付くのですから、この調節がないと良いフィーリングが得られないのですが、三脚として使う時もこれにより重いシステムに対応できます。ただ、締めればその分カメラを動かす抵抗も増すので何度か試して、良い加減に調整する必要があるでしょう。

 

20141206h さて、この「20度」という可動範囲。仰角20度の場合、35mmレンズの天地の画角が38度なので、それより長いレンズだったら水平を見切ることが可能です。

地面ギリギリで撮影するパターンを考えれば、地面にあるものまで写し込み、あまり極端な仰角をつけることはないでしょうから、この器具のみで可能な20度の上げ下げ、結構使える角度だと思います。

下の写真はNEX-7にE 10-18mm F4の10mmあたりで仰角20度で撮った写真です。背面液晶が跳ね上げられるので、こんなアングルも撮影が楽ですね。

20141206i

20度のティルトで不足すると感じれば、普通に雲台を取り付ければいいだけの話ですから、こんなパーツをサブで持っておくと便利ではないでしょうか。

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