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2015年3月の4件の記事

2015年3月29日 (日)

レベルアジャスター

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「ミニサロン190を改造する」の回 にアームに横向きに器具が付けられるように改造しましたが、結局、雲台を付けている側と反対側に真俯瞰用雲台を移動しました(アームを差し替える)。

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その記事では雲台は、アクラテックのレべリングベースSUNWAYFOTOの DDH-02にしましたが(写真右)、通常は左のように直にクランププレートを付ける仕組みで十分です。水平がほぼ出ているアーム(ずれは1度程度)なので、真四角な被写体でなければ歪みは気になりません。

しかし真四角な物や、裏面と表面が平行でないものを撮るときにシビアな正対を調整したくて写真右のようなボール式の雲台を設けると、水平での使用と違ってカメラ重量を支えながらの調整で結構苦労します。そこでネジで微調整できる「レベラー」が欲しくなります。

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計測機器用と同様な3ネジで調整するものとして、マンフロットの レベリングベース 338 (写真左)が長らく販売されていますが、これは大きく、またネジがとても固いので、かねてより躊躇しています。また、最近になってNodal Ninjaから EZ-Leveler-II という比較的操作しやすいものも出ているようです。私の不勉強で今回お伝えするものを買ってから、ブログ「B級サロン」の こちらのページ で知ったのですが、こちらは良さそうです。

20150329d さて、カメラスタンドの先に下向きにカメラを設置した場合には、右図①の回転は被写体を動かすほうが簡単です。

また②は雲台とアームの接続がダボであることから、それを動かすことで簡単に微調節できます(カメラの重量を支えながら緩めたり締めたりする必要はありません)。

問題は③だけとなります。ということは1軸の角度調節をネジで行うものがあればいいということになります。

望遠鏡用や実験器具用などでいくつか候補はありますが、なるべく薄くできているものが欲しいとなると今のところ以下のものしかないようです。

20150329e ケンコーのレベルアジャスター ですが、ユーエヌからも UN-5692 レベルアジャスターとして、またハクバからも ピクスギア レベリングベース HB-LB として出ているものです。

いずれも全く同じですが、50×55mm、高さ25mmの四角(突起を除く)に二つのネジが付きだしていて、側面に設けられたアクセサリーシューにバブル型の水準器が付属しています(もちろん取り外し可能)。

またそのシューはネジで取り付けられているので、シューも取り外すことができます。私の使い方ではシューは要らないためはずしてしまいます。

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上面にはカメラ用に1/4インチのネジが設けられていて、底面には三脚側の1/4インチの受けネジがありますが、よく見ると段差があり、内側のパーツにのみネジが切られているのがわかります。

20150329g 一見するとふたつのネジ、底面の二重構造がどのように作用するのかわかりにくいと思います。

実はこの二つのネジを同じ方向に動かすことによって上面パーツ裏に設けられた山状の受けをずらし傾ける構造になっています。その際にネジを最後に締め込むと底面内側のプレートを押すので、水平回転(スイベル)の動きもこの動作で固定されるようになっています。(ネジの力を山やプレートに伝えるため2本のコロが入っています。また図では省略していますがコロはバネでお互い引き合うようになっています)

傾斜できる角度は左右に10度。私の用途としては十分です。

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「傾けたい方向にネジを進める」と覚えれば扱いは難しくありませんが、両方のネジを同じように動かすのは難しいと感じるのなら、まず傾けたい側のネジをゆるめ、それから反対側を締めていくという手順にすれば良いでしょう。

しかし1点だけ問題があります。上面のカメラ止めネジが固定式のため、アジャスターの向きとカメラ(あるいはクイックシュークランプ)の向きをしっかり揃えることができません。

20150329j 通常、ダボではその受けで回転できるし、カメラを雲台やクイックシューに取り付けるのは貫通のネジのため気になりませんが、このように向きを揃える必要のあるものにこの構造は不便です(このアジャスターは本来、雲台の下に付けるもののためにこの構造になっています)。

同方向から30度ほどずれるため、カークのクランプには付いている固定用イモネジを締めて何とか固定しています。

20150329k カメラをセットするとこんな収まりです。

付属の水準器がカメラのシューに付けられるので便利ですが、シビアに真俯瞰をとるときは再三ご案内の鏡を用いた手法でやっています。

この一軸のみのギア微動調整はかなり便利です。上の方の図で説明の③の軸のみギアで調整。その間カメラを別の手で保持しなくて済み、振れ戻しもないため一発で位置が決まります。あとは②をダボで行ってもよいし、このアジャスターのスイベルで行っても良いのですが、このスイベル機構、しっかり締めなくてもそこそこ抵抗があるのでアジャスター側での調整のほうがスムーズです。(カメラを真下に向けているため自然に真下を向くというのもあります)

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2015年3月23日 (月)

ミニ三脚を撮影品保持に使う

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BENRO VT1(写真右) Manfrotto 209 に(写真左)の一脚保持具としての使用は「一脚用補助脚」の回にご紹介しましたが、今回は写真のようにブツ撮りにおいて撮影ステージ上で使う実例をご紹介します。

週末、「バックミラー型ドライブレコーダー」の撮影があり、「マイクロSDカードとUSBケーブルがここに付きますよ」というカットが必要になりました。別撮りして合成してもいいのですが、空間に浮いている状態のカットでは別撮りだとブツの向きや光の向きを揃えるのが大変なので、セッティングは面倒でも一発撮りのほうが最終的には楽です。

こんなときは保持具をフレーム外に置いて消しの処理をできるだけ減らす、また、写り込みも防ぐように細長いもので「突き出す」スタイルの保持になります。

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タイトル写真の組み方の2台の三脚でそれぞれSDカード、USBケーブルを保持させます。そのためにはこの図のようにブツを差し出す方向が様々になるので、空間の自由な位置に自由な角度に向く先端になっているアームが必要になります。

20150322c クネクネとしたプロ機材の フレキシブルアーム AAA-4074 の先には 「撮影補助具」の回 でご紹介した自作のアルミパイプ製の補助具を付け、先端に両面テープでSDカードを貼り付けます。

これは上の図のようにフレームに入ってしまうものなので透明なもの(透明なアクリル棒)のほうがより良く、いつかは作ろうと思っているのですが、アルミでかなり周囲の光を拾うので一見不向きのようですが実はバックカラーを拾うので消しの処理がしやすく結構重宝しています。

 

一方USBケーブルの方は、クリップで挟みぶら下げることにしたので、クランクアームで保持することを採用。このアームはプロ機材で購入したのですが廃番のもので、今売られているものでは モニター用クランクアーム FV-MA が相当すると思われます。

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この手のクランクアームはちょっと高価で、私のものは在庫処分のものを格安で買ったのですが、一般的には1万円前後してて躊躇します。格安のものが 上海問屋で売られていました が、これだとアームが短くて今回の様な使い方では不便を感じると思います。

クランクアームは両側がカメラねじ(1/4インチ)になっているため、三脚、VT1側は間に3/8メスから1/4メスに変換するアダプタが必要となります。手元にあるものではダボ(スピゴット)があるのでいつもこれを使用しますが、もっと高さを押さえたい場合用にもっと短い変換アダプターが欲しいところです。またクリップの側は三脚や雲台を買うとネジ保護のために被せてあるキャップ(ネジを切ったタイプ)を使います。

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解説図のようにうまくレイアウトして撮ってSDカードまわりを処理すれば、一発撮りでもかなり凝ったカットが簡単に完成です。(さすがにカット全体を掲載する訳にもいかないのでSDカード近辺のみです)

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20150322g そして別カットで本体を空中に浮かし裏面を撮る必要があったため、バックミラー面中心を吸盤で保持します。その仕様がタイトル写真の右スタンドです。

「撮影補助具」の回 でもご紹介したように一般的な吸盤フックの先だけをクランクアームの先端ネジにビニールテープできつく縛りつければ250gほどのものなので余裕で自由な角度に構図が決められます。

20150322h バックミラー裏面のカメラ部分のアップを撮るためなのですが、レンズの入り方や光の具合など「カメラを動かすのではなく被写体を動かして構図を決める」場合にはこの手の方法が必須です。

右カットは光の入り方などを追い込んでいない中間バージョンですが、無理やりカメラを回して構図を決めると、ライティングができない角度になっていたりするので被写体が動かせる保持方法はブツ撮りでは重要です。

かなり重いものも保持できるクランクアームですが、前に差し出して保持するときは前に倒れ込んでしまうのでウエイトを三脚に乗せておきます。

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2015年3月11日 (水)

真俯瞰撮影 -写り込む照明を消す

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最近撮った真俯瞰撮影で、ちょっと苦労したものがあったのでご紹介します。

建築設計、内装設計、インテリアプランナーやコーディネーターなどの業務では、床材や生地などのサンプルを貼ったボードプレゼンは広く行われていますが、A1サイズなど大判のものとなるので、分割カラーコピーや写真でないと控えがとれません。

さて、そのようなボードに貼られたもの、あるいはタイトル写真にあるような額装品は反射しやすい素材であるため、照明を拾ってしまうと悲惨な写真になってしまいます。

20150311b ブツをお借りしてスタジオで撮るなら方法はいくらでもありますが、出張撮影で、オフィスの照明下で撮るとなると大変です。右のような直管蛍光灯のライン照明は写り込みがやっかいな筆頭です。

広い会議室なら壁面に立てかけて引きの調整で写り込みのない均一な照明も可能ですが、先日伺った先は小さなオフィス。企業パンフレットに使う写真としてA1プレゼンボードや、A4書類を扇形にならべた状態を撮るため、平置き・真俯瞰で撮る必要がありました。

そこで、応接コーナーのソファのローテーブルを撮影台としてそれを跨ぐように三脚を立て、「真俯瞰撮影用のツールを考える」の回にご紹介した方法(とはいえこのようなブツ撮りは予定していなかったのでアングルブラケットなしの自由雲台を使っての方法)で撮影することにしました。照明は上の写真のような直管の蛍光灯です。うまくどのラインも写り込まないような撮影位置がありません。

当日の写真を使うわけにはいかないので、以下の説明の写真は、タイトル写真とともに説明用に撮ったものですが、当日撮ったものはA1ボードにL判写真や塗装サンプルなど艶やかで表面が波打っているものが多数貼られているため写り込みが波打っていて複雑です。

20150311d 20150311c まず、「真俯瞰(真正面)撮影の小ネタ」の回にご紹介したように、鏡を使って正対させます。

実は、当日は鏡を持っていかなかったのでかなり台形に写ってしまい、これからご説明する作業が大変になったのですが、ここで完全な真俯瞰を押さえておくのが大事です。

さて、どの蛍光灯ラインも写り込まないような撮影位置がないため、何とか1ラインだけが頭方向に平行に入るようにしてまず通常の向きで撮ります。

そして被写体をその場で180度回転させてもう1枚撮ります。

この時、なるべく位置が揃っていたほうがあとの作業は楽ですが、完全に揃えることは事実上不可能ですから「ほぼ揃っている」というレベルでOKです。

撮影時はこれだけの手間です。右の写真でおわかりのように派手に蛍光灯が写り込んでいます。仮に1枚しか撮らず「あとでフォトショップで修正」なんて考えていると大変なカットです。

 

この回転して撮った写真をフォトショップで再度回転します。この時に周りに写っている床は白や黒でベタ塗りしておきます(どうせ完成時に消す要素ですし、これが残っていると次のステップで困ります)

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均一に照らされている部分がしっかりそれぞれのカットにあり、写り込み部分がダブっていないか、これも大事なので撮るときに注意しましょう。

さて、これらをレイヤーとして重ね、一枚のフォトショップ画像とします。そして次に 「Photoshopで被写界深度の拡大」の回 にご案内した「レイヤーの自動整列」を行います。

メニュー「編集」→「レイヤーを自動整列...」、そして次に出てくるウインドウの投影法では「コラージュ」を選びます。

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これを行うと、微妙に揃っていない2枚が、ほぼ完ぺきに重なります。

この時に床が写っていると、フォトショップは勝手に床の模様を揃えようとするのでせっかく2枚目を180度回転しても元の向きにしてしまい肝心な被写体が重なりません。

また、正対がしっかりとれていないと(例として片方は上広がり、もう片方は下広がりになってしまっていると)きれいに揃うことは稀です。

そして2枚の合成です。この例では上のレイヤーに上半分が有効なものをのせているので下半分をグラデーション消しをすれば一発です。(下の写真は別作業を行っているカットなので逆の部分にマスクをかけています)

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写り込み部分が除去され、均一な写りのものに無事合成できました。

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完全な白トビはその部分の再現が不可能になるので、元の写真は念のためかなりアンダーで撮りました。そのためかなり暗い写真なので、最後に明るさとコントラストを調節しましょう。

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この額のガラス、実はかなり曇ってきていて、写り込み部以外もうっすらと光っていたのです(上の方の写真でわかります)が、まるで無反射ガラスであったかのような完成品になりました。

実際の先日の例ではしっかりと正対がとれていなかったため2枚をピッタリと合わせるのに大変でしたが、合ってさえしまえばレイヤー間を見比べて、上のレイヤーにある照明の写り込み部分を消していくだけの作業なのであっという間に作業完了です。ましてや上のように最初に正確に正対し、回転にも注意していればすごく簡単な修正(合成)作業なので、機会があったら試してみてください。

ちゃんとした照明環境で撮れるのならそのほうがいいのは明らかですが…笑

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2015年3月 1日 (日)

クローズアップレンズ比較 -3

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Cyber-shot RX100IIIにつけた各社クローズアップレンズの比較実験を続けます。今回は実際にクローズアップしてみましょう。

前回のおさらい、「カメラの標準の最短撮影距離≒30cm(レンズ先)」の状態にクローズアップレンズ(Kenko AC)をつけたもの
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この場合、カメラのフォーカスは無限遠に近いほうに移動していますが、この状態からどんどん被写体に近づいていき、約17cmのところまで寄れるようになります。上で15×10cmだった撮影範囲が10×6.5cmほどになります。

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水平が若干狂ってきたのはご愛敬として、樽型の歪曲がでてきました。この1から3の位置の各レンズの等倍画像(クリックで拡大した場合)が

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前回とおなじように解像感、収差の補正など性能は KenkoAC>Marumi>KnkoMC となっているのがわかります。

 

クローズアップレンズを使う場面を考えると、周辺に大事なものが写っていることはあまりないと思われますので中央の解像感がこの程度保持できるのであれば、どのクラスのレンズを使っても問題ないと思われます。

しかし、平らなもの(書籍表紙、レコードジャケットなど)のコピーなどで使うのであれば、周辺の収差が改善されているACタイプが良いでしょう。

この場合、樽型の歪曲収差があるこのカメラの特性をクローズアップレンズが補正してくれることはうれしいですね。そんなに寄る必要がない場合でも付けてみることをおすすめします。

 

なお、このRX100IIIは以上のような極端に寄った場合には樽型の歪曲収差があるのですが、そこそこ離れた場合には良好であることはこのカメラの名誉にかけてお伝えしておかなければなりません。

以下は屋外のタイル張り(1個5cm角)の壁面を撮ったものですが、撮影距離は2.5mほどになります。

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センターと右上隅は
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こんな感じで、さすがに隅はちょっとモヤッとしていますが、コンデジとしてはたいしたものではないでしょうか。

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