カテゴリー「撮影小ワザ」の8件の記事

2016年3月 6日 (日)

ボトル撮影 ついでの実験

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前回のボトル撮影、切り抜きがきれいで黒締めもしっかりしているため、このような黒バックでも違和感なく使える仕上がりとなります。

さて、前回の作例(下の写真)と見比べて異なる点がありますがお気付きですか?(キャップの形状ではないですよw)

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この手の黒締め、パキッとした黒ラインを入れても良いのですが、場合により、ビンの内側に向かってなだらかなグラデーションにしたいと思う場合があります。タイトル写真ではそのグラデーションを入れたものになっているのです。

離れた場所にトレペでディフューザーをつくる場合には工夫によってその手のことも可能ですが、今回のように乳半アクリルをこれだけ近づけて使っている場合には、アクリルそのものが不透明(しかも黒)から透明(乳半)までのグラデーションになっていないと無理です。

かといって世に、そのような都合のよいグラデーションテクスチュアはなく、自作するしかありません。ちょうど細長い透明塩ビシート(0.4mm厚)と、使いかけのツヤ消し黒のプラモデル用スプレー塗料があったので、グラデーションシートをつくってみました。

しかしこのスプレー、たぶん1年も放っておいたため、ガス圧がよくありません。ちょっと吹いては振り、ちょっと吹いては振りでこんなものになりました。

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ガス圧不足による超ムラムラです。ムラよりも粒状感が強いのが難点です。これを前回の乳半アクリル3面ブースの内側につけます。

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そして入れないものとその他の条件は同じで撮った結果がこちら。

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一応グラデーションが付きました。下部のラベル部分ではなかなか良好なのですが、ツヤツヤなボトルの部分では塗装のツブツブ感がモロバレですね。それ以外にも、

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乳半アクリルの途中に取り付けた塩ビシートのキワ(1)と、塩ビシートを止めたメンディングテープ(2)がしっかりと写り込んでしまいました。

いずれも予想はしていたのですが、何しろセットが小型のため、ディフューザーもしっかりとフォーカスが効く範囲に入り込んでしまっています。これが大型のセットなら、この手の写り込みはそこそこボケてくれるのですが、小型のセットでは写り込みには注意しなければなりませんね。

今回は実験だけに留め、納品カットはグラデーションシートを入れないものにしましたが、そのうちにリベンジしたいと思います。

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2015年8月30日 (日)

写り込みの調整テクニック

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前回の記事(とはいっても随分間があいてしまいました m(_ _;)m)にて、「黒ツヤ塗装のペンダントライトの撮影での苦労」をご紹介しましたが、キレイな写り込みにするための部分について追加補足したいと思います。

タイトル写真はその一連のうちのある器具の別アングルカットのアップなのですが、放射状の線は器具そのものが持っっている仕様なので、これを消さないように、なおかつ、モノが黒塗装であるように撮ったものです(白バックでの撮影)。

20150830b 20150830c 器具はお椀を伏せたような半球状の黒ツヤ塗装。メインの写真は前回ご紹介したようにグレーバック紙を垂らした場所で実際に吊り下げて撮影ですから、近辺のものの写り込みが一番激しいタイプです。

繰り返しになりますが、当初のセッティングは、右のような柄のあるカーテンが下がった窓を右とし、バックペーパーやライティングダクトをスタンドで掲げるパターンです。

円筒、球状のものにどのような写り込みが発生するか、一般の方はあまり理解されていないと思います。

それらの側面での写り込みは、「入射角と反射角が等しい」のですから、見えるフチのあたりでの写り込みはほぼ真後ろのもの、手前45度あたりにはブツの真横のものが写って(映って)しまいます。

ブツの真正面にあたるカメラのあたりは通常は暗くできるので問題はありませんが、狭い撮影場ではブツ近辺は照明によって照らされるので、その映り込みはかなりはっきりします。

上の状況写真は昼光の入った状態ですが、暗くして撮影用の照明にすると下のようになります。

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20150830e そこで各種スタンドやポールを隠し、背景紙に直にくっつく様に黒布で側壁面を形成し、それでカーテン、窓枠も覆います。(白い縦のポールが写真では見えますが、左側は黒布が被っているのでブツには映り込みません また白いライティングダクトも照明側-左側はくっきり写り込むのでテープ状にしたベルベットクロスを巻きます)

そして弱めのハイライトを入れるために白板を右に入れます(後ろ上方のものはバックペーパーにグラデーションを作るためのもの)。この写真では下のほうにスタンドが見え、後ろのカーテンも見えてしまっていますが、ブツを吊る高さはこの白板の底辺より上なので問題ありません。

そうやって撮ったのが下のバージョンです。(中ごろに小さいホコリが写っていますが、それを含め若干の修正をしたものが納品版となります)

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適度に明るいグラデーション(白板の写り込み この場合は積極的な「写し込み」といったほうが良いでしょう)があるためブツの立体感が表現できています。

これ1点であれば、もっとしっかりした表現のため凝った方法も考えられるのですが、一連のシリーズには艶消し塗装のものや違う質感・素材のものがあるため表現がちぐはぐにならないようなこの手法で手を打ちました。

 

さて、ここまでの工夫もできないような状況で、なお写り込みを解消したいということもあるでしょう。

20150830g 艶のある塗装表面やプラスチック製品での写り込み(反射光)は偏光成分でできています。ということはPLフィルターも有効になります(素材をあえて限定したのは金属そのものの表面での反射は偏光しません 詳しくは各自お調べください)。

とはいえPLフィルターでブツ全体の写り込みをすべて除去できる訳ではありません。

反射光の偏光成分は入射角(反射角)によって異なり、おおむね45度あたりで最大になります。(45度はわかりやすい目安です 実際は物質によって異なり、水は53°ガラス58°)

その角度では写り込みが除去できますが、それ以上、それ以下では徐々に効果が薄れます。

今回のような球状のブツの場合、ある特定の場所の写り込みを消す場合にはお手軽ですが、全体的な写り込みの場合はフィルターを回転し、何枚か消えた場所の違うカットを後で合成する必要があります。(下図赤いところが写り込みが消える場所)

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今回の撮影の最初のセッティング(黒布などを垂らしていない状態)で、器具の右側の写り込みをPLフィルターを使って消してみるとこのようになります。

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結構効果があることがお分かりいただけると思います。しかしフチ近くの白っぽいグラデーションが消えないかわりに手前が真っ黒になって立体感がなくなりました。この立体感がない点と数枚の合成が必要なため、このPLフィルターによる方法はやめたのですが、場合によっては便利な方法です。

 

20150830j 「写り込みの除去」ではありませんが、くっきり写るものを鈍くしてしまう方法としてダリングスプレー(写真左)を使うことも、スタジオでは盛んに行われます。

細かいパウダーで乳状の塗膜を表面に作り、反射を鈍く(=dull)するものですが、これが結構難しい。私の撮るものの多くでは使うと失敗することが多いためあまり使っておらず写真のものは10年ほど前に買ったものがいまだに1/3ほど残っています(既に廃番)。

しっかり全体にムラなく吹きつけると質感が変わってしまうし、部分吹きつけでは周辺の軽くかかった部位が粒状にムラになってしまい、小さな被写体だとバレてしまいます。

安価で入手しやすい同様の効果があるものとして、写真右のような、いわゆる制汗スプレー(パウダータイプ)が挙げられます。

写真用ダリングも各社で吹きつけた感じが異なりますが、この制汗スプレーはパウダーが細かく結構使えます。

今回は実験写真を撮ってないので、いつか機会があればダリングの効果もお伝えしたいのですが、今回の例ではブツのフチ(キワ)に使うと、写り込んだバックペーパーと側壁面の境界のくっきりした部分を滑らかにすることができます。

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2015年7月 5日 (日)

ペンダント(吊下照明器具)の撮影

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先日、大物(というより撮りにくいアイテム)の撮影がありました。

照明器具それもペンダントなので、実際に空間に浮いた状態で撮らなければなりません。背景は業界ではだいたい標準的にグレーのグラデーションで仕上げるようになっています(もちろん、そうでない企業、製品もありますが)。

さて、グレーのグラデーションのバックといえば、だいたいグレー(場合によりホワイト)のバックペーパーを垂らし、照明でトーンをつくるのが普通です。大きなスタジオであれば、被写体からバックペーパー(あるいはホリゾント)までの距離が十分にあるため、グラデーションをつくるのはそんなに苦労はないのですが、ちょっとでも狭いと大変です。

20150705cいつも使う場所では絶対に無理なため、最上階になんとか場所を確保します。

ここは天上高も若干高く、真中にはハイサイドライトのための吹き抜けもあるため、ライトはより高く設置できます。

まず、器具を吊るためのライティングダクト②の位置決めです。撮影距離2.5mを確保したいのでバックペーパー①までの距離は1m強しかとれませんでした。

ライトは70×100cmのソフトボックスを使えば1灯で済み、なるべく水平に近いトップライトとすればバックペーパーには適度なグラデーションができると踏んだのですが、残念なことに撮影品の中に黒ツヤ塗装のシェードがあるので、タイトル写真のようなきれいな写り込みをさせようとするとこの位置のライトは不適切です。

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本来ならライト前にトレペを垂直に垂らし、きれいな写り込みをさせたいところですが、撮影場所の面積が少なく不可能です。そこでライトを縦使いにして被写体近くにかなり起こした状態にします。

そうするとライトの光は背景に回ってしまいグラデーションができなくなるため、遮光のための板を設置することにしました③。軽くて薄くてもしっかりしているスチレンペーパーの出番です。

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20150705e 位置の微調整で、この方法でもなんとかきれいなグラデーションが作り出せることがわかりました。ちなみに右写真では、バックペーパーの右1/4ほどが縦に陰になっていますが、これは昼光の影響で、撮影時には発生しません。

また、右の壁面(手前のカーテンの柄はもちろん、被写体より後ろになる場所にある細々したもの)がくっきり写り込んでしまうため、左右ともに黒布を垂らすのも必要となりました。

右手前のレフ板的な白い板は、写り込むカーテンの柄を隠すものですが、この部分を黒布にすると締まりすぎるため、あえて白色です。

④はベルベットクロスで、今説明の一連のカバーリングのために用意しましたが、最終的に後に説明する重要な使い道がありました。

そのように調整して撮ったバックのみの写真です。まるで描いたようなきれいなものとなりました。本来なら製品を入れた完成品をお見せしたいところですが、納品写真を勝手にお見せする訳にはいきませんのであしからず。

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そして今回の写真では、もうひと手間が必要となります。

照明器具の撮影では、製品そのものが光るため1ショットで撮ると製品の光が飛びすぎます。強力なストロボを焚いて器具の光を弱める方法もありますが、バランスをとるのは非常に難しく、ライティングと製品そのものの色温度のバランスも大変です。

フィルムの時代には、一発で撮るために製品側のライトを調光したり、長時間露光の中の一瞬で点灯させたり、あるいはそれぞれ適切な露光の多重露光といった方法で撮っていました(私は当時は写真を生業にはしていませんでしたが、照明器具を扱う会社にいたので経験はあります)。また、光源も当時はそう多くなく、白熱灯器具であればライティングもタングステンで済みました。

しかし最近の照明器具には様々な色温度のものがあり、今回のものは3000KのLEDが光源です。スタジオライト(今回はLEDを使用)と色温度のバランスを最終的に調整するためには、光らせていない器具写真と、器具の光のみのカットを合成するのが最適だと判断しました。

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ところが、バックペーパーをそのままで、製品を点灯すると、この器具の配光では、かなりの光がバックペーパーに回ります。それ以上に、床で反射した光がバックペーパー上部のほうにまで回るため、上のイメージのような「必要なところ以外は真っ黒」というカットが撮れません。

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20150705i そこで先ほど④として紹介したベルベットクロスを製品とバックペーパーの間に垂らし、完全な黒バックで「光のみのカット」を撮ることにしました。

ライティングしたカット(製品は消灯)を撮影 → ベルベットを垂らす → ライティングを消して製品を点灯 → 露光時間を変えて撮影

という2カットずつがそれぞれの写真に必要にはなりましたが、後のフォトショップでの合成でいきます。

製品の光源は3000KのLEDなので、ある程度「黄色い光ですよ」とアッピールしなければなりませんが、その度合いが私とクライアントで異なっていたため修正と相成りました。これは想定内だったのですが、こんなことも光のレイヤーのみを別カットで撮っておけば、色調整は非常に簡単です(フォトショップレイヤーでの色調整で済みましたが、難しい場合はRAW現像で色温度を再設定できます)。

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2015年3月11日 (水)

真俯瞰撮影 -写り込む照明を消す

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最近撮った真俯瞰撮影で、ちょっと苦労したものがあったのでご紹介します。

建築設計、内装設計、インテリアプランナーやコーディネーターなどの業務では、床材や生地などのサンプルを貼ったボードプレゼンは広く行われていますが、A1サイズなど大判のものとなるので、分割カラーコピーや写真でないと控えがとれません。

さて、そのようなボードに貼られたもの、あるいはタイトル写真にあるような額装品は反射しやすい素材であるため、照明を拾ってしまうと悲惨な写真になってしまいます。

20150311b ブツをお借りしてスタジオで撮るなら方法はいくらでもありますが、出張撮影で、オフィスの照明下で撮るとなると大変です。右のような直管蛍光灯のライン照明は写り込みがやっかいな筆頭です。

広い会議室なら壁面に立てかけて引きの調整で写り込みのない均一な照明も可能ですが、先日伺った先は小さなオフィス。企業パンフレットに使う写真としてA1プレゼンボードや、A4書類を扇形にならべた状態を撮るため、平置き・真俯瞰で撮る必要がありました。

そこで、応接コーナーのソファのローテーブルを撮影台としてそれを跨ぐように三脚を立て、「真俯瞰撮影用のツールを考える」の回にご紹介した方法(とはいえこのようなブツ撮りは予定していなかったのでアングルブラケットなしの自由雲台を使っての方法)で撮影することにしました。照明は上の写真のような直管の蛍光灯です。うまくどのラインも写り込まないような撮影位置がありません。

当日の写真を使うわけにはいかないので、以下の説明の写真は、タイトル写真とともに説明用に撮ったものですが、当日撮ったものはA1ボードにL判写真や塗装サンプルなど艶やかで表面が波打っているものが多数貼られているため写り込みが波打っていて複雑です。

20150311d 20150311c まず、「真俯瞰(真正面)撮影の小ネタ」の回にご紹介したように、鏡を使って正対させます。

実は、当日は鏡を持っていかなかったのでかなり台形に写ってしまい、これからご説明する作業が大変になったのですが、ここで完全な真俯瞰を押さえておくのが大事です。

さて、どの蛍光灯ラインも写り込まないような撮影位置がないため、何とか1ラインだけが頭方向に平行に入るようにしてまず通常の向きで撮ります。

そして被写体をその場で180度回転させてもう1枚撮ります。

この時、なるべく位置が揃っていたほうがあとの作業は楽ですが、完全に揃えることは事実上不可能ですから「ほぼ揃っている」というレベルでOKです。

撮影時はこれだけの手間です。右の写真でおわかりのように派手に蛍光灯が写り込んでいます。仮に1枚しか撮らず「あとでフォトショップで修正」なんて考えていると大変なカットです。

 

この回転して撮った写真をフォトショップで再度回転します。この時に周りに写っている床は白や黒でベタ塗りしておきます(どうせ完成時に消す要素ですし、これが残っていると次のステップで困ります)

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均一に照らされている部分がしっかりそれぞれのカットにあり、写り込み部分がダブっていないか、これも大事なので撮るときに注意しましょう。

さて、これらをレイヤーとして重ね、一枚のフォトショップ画像とします。そして次に 「Photoshopで被写界深度の拡大」の回 にご案内した「レイヤーの自動整列」を行います。

メニュー「編集」→「レイヤーを自動整列...」、そして次に出てくるウインドウの投影法では「コラージュ」を選びます。

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これを行うと、微妙に揃っていない2枚が、ほぼ完ぺきに重なります。

この時に床が写っていると、フォトショップは勝手に床の模様を揃えようとするのでせっかく2枚目を180度回転しても元の向きにしてしまい肝心な被写体が重なりません。

また、正対がしっかりとれていないと(例として片方は上広がり、もう片方は下広がりになってしまっていると)きれいに揃うことは稀です。

そして2枚の合成です。この例では上のレイヤーに上半分が有効なものをのせているので下半分をグラデーション消しをすれば一発です。(下の写真は別作業を行っているカットなので逆の部分にマスクをかけています)

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写り込み部分が除去され、均一な写りのものに無事合成できました。

20150311h

完全な白トビはその部分の再現が不可能になるので、元の写真は念のためかなりアンダーで撮りました。そのためかなり暗い写真なので、最後に明るさとコントラストを調節しましょう。

20150311i_2

この額のガラス、実はかなり曇ってきていて、写り込み部以外もうっすらと光っていたのです(上の方の写真でわかります)が、まるで無反射ガラスであったかのような完成品になりました。

実際の先日の例ではしっかりと正対がとれていなかったため2枚をピッタリと合わせるのに大変でしたが、合ってさえしまえばレイヤー間を見比べて、上のレイヤーにある照明の写り込み部分を消していくだけの作業なのであっという間に作業完了です。ましてや上のように最初に正確に正対し、回転にも注意していればすごく簡単な修正(合成)作業なので、機会があったら試してみてください。

ちゃんとした照明環境で撮れるのならそのほうがいいのは明らかですが…笑

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2014年8月16日 (土)

ナプキンをレフに使う

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書きたいことはいっぱいあるのになかなか書く暇がなく、またもや間が開いてしまいましたが、最近、普段の持ち出し用のコンデジとして SONY、Cyber-shot DSC-RX100M3を購入しました。

20140816b 1インチのセンサを採用しつつ、小さなボディに明るいレンズとポップアップ式のEVFを上手に組み込み、最低限のズーム比とはいえワイド側が換算24mmになっているのはスナップ、風景、日常ポートレート、ブツ撮り、オールマイティなカメラです。

テレ側が換算70mmなのは私の撮影スタイルではちょっと足りないのですが、「全画素超解像ズーム」を使えばそれ以上の焦点距離の撮影も可能なので便利です。ただこの「全画素超解像ズーム」、要はクロップ(orトリミング)なので記録サイズは小さくなってしまいますが。

このブログをかねてからご覧いただいている方は、私がフジのFinePix X100を使用している事はご存じでしょうが、X100はさすがにポケットに入れるには大きすぎ、その下のサイズで高機能なものが欲しかったのですが、やっとその手のものが出たという感じです。

20140816c さて、先日とあるホテルの高層階のレストランでランチビュッフェを食べたのですが、席が写真のような外の景色が見渡せるパノラマビューカウンター。

外食する時はだいたい写真に収めているのですが、この店は絶好の逆光具合です。

仕事で撮るときは、当然のことながら様々な機材を使いますが、まさか客として入って、レフ板立てるわけにもいかず、それどころかフルサイズで大きなレンズというのもいかがなものかという他の客もいるので、できるだけ小さなカメラで美しく撮るには条件が厳しいものです。

逆光で問題なのは、手前のこちらを向いている一番見せたい面が暗くなってしまうこと。

この場所で撮った外光のみの写真はこんなです。ちなみに私は夏でも黒系の服が多いので、服の反射はほとんどありません。

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ソースのテカリなど、非常に良いのですが、やはりオムレツのこちら側の面が暗すぎです。そこでお店で提供されている紙ナプキンをレフ板として使えばこんな感じに。(ピント位置も若干奥になってます)

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20140816g カメラは右手メインで、左手は水平にしてナプキンを親指と人差し指の間にかければ親指の背でカメラを下からサポートできます。

私はファインダーを使用しますので、テレ端での最短撮影距離30cmというのは、席に普通に座って目の前に出された料理を撮るのになんとか問題ない距離。普通のコンデジだと各社ともワイド端こそ数センチまで寄れますが、このテレ端で30cmまで寄れるというのはなかなかないですね。

これが50cmになってしまうと、料理を奥の方に移動させるか、椅子を引いて撮るかしなければならないので、連れにも迷惑をかけますし、こちらも写真を撮るのがメインではないので、非常に煩わしい行為です。

ポケットにも一応入る大きさの高機能カメラ。欲を言えばきりがないのですが、このカメラは良くできていると思います。

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2014年1月25日 (土)

縦位置シフト撮影 やりすぎにご注意

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建築写真には必需品であるティルト・シフトレンズ、CanonのTS-E、ニコンではPC-Eニッコール。特にTS-Eでは17mmの超広角レンズもあるので、かなりの「寄り」ができることは使っている人は当然ながら、持ってない方でもなんとなく理解はいただけるでしょう。

私が17mmを買ったのは昨年で、それまでは24mmで対応してました。24mmレンズで12mmのシフト(旧型は11mm)があればほぼそれで満足できる(17mmが本当に必要とされるのはインテリア撮影です)のですが、17mmでシフトができるとなるとついオーバーパースをつけてしまうことには注意が必要です。

20140125b 右の写真は11階建て(高さは31mぎりぎりでしょう)のマンションを45度近く振った方向から撮った写真です。あまり良い向きではないですが、前方に寄れる駐車場の位置関係からこんな角度になりました。

TS-E24mmで少々シフトをかけていることは水平線の位置でおわかりでしょう。撮影距離(約37m)は十分にあります。

しかし手前の電線がどうしようもないほど被っていますね。こんなときに便利なのがシフトレンズで、もっと寄ってシフトをかければ、電線が画面に入らなくすることができます。

20140125c そこで前の写真の赤丸ポイントまで前進して、一層シフトをかけたものがこれです。電線が入らなくなりましたが、建物のスカイラインのパースがきつくなって、ちょっと違和感を感じるようになったと思います。

すでに図学上は破たんしているのですが、詳しい説明はのちほどするとして、もう一歩前に出て17mmで撮ってみましょう。

この現場では余裕がありますが、どうしても引きがないときにTS-E17mmレンズを持っているとついやってしまう撮影です。

20140125d 17mmのフルシフトでぎりぎり写せる場所まで前進しました(前の写真の青丸ポイント 撮影距離は約20m)。

どうでしょうか。これ一枚だと気にならないかもしれませんが、上の写真も見せられれば手前の角がそそり立っているのが不自然極まりないはずです。上辺の成す角度が鋭角(90度未満)になってしまっています。

下のような箱状のものをいろいろな角度で見れば、実際の直角が絵や写真の上で鈍角になることはあっても鋭角に見えることはありえないことがおわかりいただけるでしょう。それが超広角レンズでは鋭角に写ることもあるのです。

20140125e

私がデザインを学んだ学校では、写真の授業に加え、建築パースの授業もあったのですが、建築パースは、写真を撮る場合とは逆に、自ら任意に消失点を設定して描くものですから、「手前の上辺の角度が少なくとも90度以下になるように消失点を設定しなさい」と言われたものです。両方の消失点とも紙の中に設定するとかなりきついパースになってしまいます。下の図のように製図板(画板)の左右にかなりの余裕がないと描けない面倒な課題でした。(いまやパースも画面上で行われる時代。こんな苦労はないでしょう)

20140125f

20140125g ほとんどの建築パースが2点透視図で描かれるのは、これにもう一つの消失点(建築の場合は天頂の消失点)を加えた3点透視図にすると作成が大変なこともありますが、それよりも「垂直なものが垂直になっているほうが自然に見える」という大事な要素があるためです。

撮った実例のような細長いビルの場合、ともすると3枚目写真のような「自然に見えない」ものになってしまいます。この場合、垂直は出ているのですが、それに注力するあまり、上辺が大変なことになってしまいました。

竣工写真の場合「迫力があるでしょ」と、こんな写真を提示したら、建築家からは「こんな尖がったビルを設計した覚えはない」と突っ返されるのがオチです。以前に建築パース事務所のサイトかブログで読んだのですが、施主側はオーバー目のパースを好む傾向があり、設計側は自然なパースを好むそうです。

20140125h 17mmもの広角でシフトもできるのでそれに甘んじていると逆に変な写真ができてしまいます。もちろんそこを狙ったアート性の高い写真もありますが「この建築はこういう形状ですよ」と説明のために使うのであればそれは許されません。

それじゃ、今回のような引きがない場合はどうするか?左に移動して正対に近い位置から写すことで違和感を軽減する方法がいいでしょうね。それでも細かい部分(各部屋のエアコン室外機など)では著しい変形がありますが、この辺は目をつぶりましょう。

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2013年10月12日 (土)

ピーカン外光でブツ撮りをする

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今週も先週の撮りこぼしを撮影しましたが、これがなかなかの難物。「庭の樹木をぼかした背景でドリンクを撮りたい」とのリクエストなのですが、ご存じのように快晴の太陽光ではコントラストがきつ過ぎ、背景は真っ暗、グラスのフチは飛びまくりです。

スケジュールの都合がつけば薄曇りという手もありますが、クライアント立ち会いの撮影ではそうもいきません。そこで登場するのが再三登場の自作ディフューザー。そして、ステージとなる片面フロストの、イイ具合に緑色の入ったガラス板を支えるのには前回登場のドリーポッドです。

20131012b 背景となる庭木を移動するわけにはいかないので、被写体、カメラそれぞれを適切な位置にセッティングしなければならないのがこの手の撮影の面倒なところ。

三脚でも良いのですが、もしセンターポールの調節量で足りない時は、危険なガラス板を一旦はずし、三本の脚を伸ばしたり縮めたりしなければなりません。

しかしこのドリーポッドなら、全高790~1430と64cmも変えられるので気になりません。実はこのカットの後、床グレーチングまで写し込んだかなりの俯瞰のカットも撮ったのですが、カメラ位置こそアイレベルより上がりましたが、このままスルスルと降ろしたステージで問題ありませんでした。

20131012c ドリーポッドへのガラス板の固定方法は、雲台 マンフロット405(アルカスイスクランプ付)にロングプレートをつけ、そのロングプレートとガラス板をクランプで締めています。

こうすることで脚のセンターにガラスセンターを合わせ、転倒をはじめとした様々な事故をなるべく防ごうというわけです。なにしろこのガラス板、40cm角程度ですが3.3kgもあり、何かあっては大変です。

雲台を405にしたのも、その耐荷重はもちろんですが、ステージの水平を出す(被写体が液体だけに水平にはシビアです)のにギアを回すだけで済み、これも一般の雲台なら緩めた途端ガラスがガクンと傾き、その拍子に落ちるなんてことが防げます。

 

さて、もうひとつのツール、自作ディフューザーのほうは、「出張撮影での小物撮影用ブース」の回 でご紹介した方法をスケールアップしたもので、使用したディフューザーは720×1250mmのサイズ。

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ちょうどこの場所には左右に手すりがあり、そこに ミニクランプ 171 と「銀一ポール」の組み合わせで支柱を立て、そこにメガネクリップで留めています。

広告写真、広告ムービーなどでは大がかりな脚組、枠組を組み、それに大きな紗幕を張り、それを「天幕」としますが、人を撮る場合でもなければ、この私のキットで十分です。ちょっと見、もっと小さなサイズのディフューザーでもいけそうですが、実は3時間ほどの撮影時間の間に太陽は随分と動くので、最後まで直射日光が入らないよう、大きめにしました。

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2012年12月23日 (日)

真俯瞰(真正面)撮影の小ネタ

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床置きの商品を真俯瞰で撮る良い方法は 「真俯瞰撮影用のツールを考える」の回 にお伝えしましたが、それでもシビアな(四角のものがちょっとでも台形などに歪まないような)アングルにしたい場合は、カメラの調整が結構大変です。

そこそこ正しく写し、あとはPhotoshopなどで台形歪みを取るにしても、上下か左右のみのパースならまだしも、その両方の成分を的確に把握し、レンズの歪曲も取るとなると結構な手間がかかります。

なるべく撮影時に真俯瞰を取っておくのが望ましいのですが、簡単に正対させる(真正面を出す)方法をお教えしましょう。

20121223b ズバリ「鏡」を使うのですが、この鏡を被写体を置くステージにただ置くだけです。

この鏡は、安い小さなもので十分なのですが、唯一の条件として、厚みが均一なもの(後ろに脚がついていたり、凸状のパーツがついていたりすると不適格)である必要があります。

鏡に映ったカメラレンズのセンターがファインダーのセンターに来るようにカメラの向きを調節するだけです。

この際、鏡をきれいにフレームに収める(画面上の傾きや周りの余白に注意する)必要は、全くありません。また鏡の大きさもレンズ径よりちょっと大きいぐらい(正確に言えば、レンズがぎりぎりフルで写ればよいのならレンズ径の半分の大きさ)で十分です。

原理は説明するまでもありませんが、上の図(写真)のように鏡に直角にレンズ軸があれば、鏡に映ったレンズが画面センターに来る(逆に センターになければ直角でない)訳です。

ファインダーセンターにはAFのゾーンがあるでしょうし、液晶のプレビューでもグリッド表示をさせていればセンターに合わせるのはたやすいでしょう。

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20121223d 真俯瞰では水準器を使えば簡単にカメラの垂直が出せますが、ステージが水平とは限らないし、右の図のように撮影しやすいように「起こした」ステージでは、この鏡を使った方法は便利です。

また、垂直に起きた被写体でも、水準器でカメラの水平を出しても被写体と正対しているかは把握しづらいものですが、その面に鏡を貼れば正確に正対させることができます。もっとも建物のように鏡を貼りにいくのが大変なものもありますが(笑)。

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