カテゴリー「Photoshop」の5件の記事

2015年3月11日 (水)

真俯瞰撮影 -写り込む照明を消す

20150311a

 

最近撮った真俯瞰撮影で、ちょっと苦労したものがあったのでご紹介します。

建築設計、内装設計、インテリアプランナーやコーディネーターなどの業務では、床材や生地などのサンプルを貼ったボードプレゼンは広く行われていますが、A1サイズなど大判のものとなるので、分割カラーコピーや写真でないと控えがとれません。

さて、そのようなボードに貼られたもの、あるいはタイトル写真にあるような額装品は反射しやすい素材であるため、照明を拾ってしまうと悲惨な写真になってしまいます。

20150311b ブツをお借りしてスタジオで撮るなら方法はいくらでもありますが、出張撮影で、オフィスの照明下で撮るとなると大変です。右のような直管蛍光灯のライン照明は写り込みがやっかいな筆頭です。

広い会議室なら壁面に立てかけて引きの調整で写り込みのない均一な照明も可能ですが、先日伺った先は小さなオフィス。企業パンフレットに使う写真としてA1プレゼンボードや、A4書類を扇形にならべた状態を撮るため、平置き・真俯瞰で撮る必要がありました。

そこで、応接コーナーのソファのローテーブルを撮影台としてそれを跨ぐように三脚を立て、「真俯瞰撮影用のツールを考える」の回にご紹介した方法(とはいえこのようなブツ撮りは予定していなかったのでアングルブラケットなしの自由雲台を使っての方法)で撮影することにしました。照明は上の写真のような直管の蛍光灯です。うまくどのラインも写り込まないような撮影位置がありません。

当日の写真を使うわけにはいかないので、以下の説明の写真は、タイトル写真とともに説明用に撮ったものですが、当日撮ったものはA1ボードにL判写真や塗装サンプルなど艶やかで表面が波打っているものが多数貼られているため写り込みが波打っていて複雑です。

20150311d 20150311c まず、「真俯瞰(真正面)撮影の小ネタ」の回にご紹介したように、鏡を使って正対させます。

実は、当日は鏡を持っていかなかったのでかなり台形に写ってしまい、これからご説明する作業が大変になったのですが、ここで完全な真俯瞰を押さえておくのが大事です。

さて、どの蛍光灯ラインも写り込まないような撮影位置がないため、何とか1ラインだけが頭方向に平行に入るようにしてまず通常の向きで撮ります。

そして被写体をその場で180度回転させてもう1枚撮ります。

この時、なるべく位置が揃っていたほうがあとの作業は楽ですが、完全に揃えることは事実上不可能ですから「ほぼ揃っている」というレベルでOKです。

撮影時はこれだけの手間です。右の写真でおわかりのように派手に蛍光灯が写り込んでいます。仮に1枚しか撮らず「あとでフォトショップで修正」なんて考えていると大変なカットです。

 

この回転して撮った写真をフォトショップで再度回転します。この時に周りに写っている床は白や黒でベタ塗りしておきます(どうせ完成時に消す要素ですし、これが残っていると次のステップで困ります)

20150311e

均一に照らされている部分がしっかりそれぞれのカットにあり、写り込み部分がダブっていないか、これも大事なので撮るときに注意しましょう。

さて、これらをレイヤーとして重ね、一枚のフォトショップ画像とします。そして次に 「Photoshopで被写界深度の拡大」の回 にご案内した「レイヤーの自動整列」を行います。

メニュー「編集」→「レイヤーを自動整列...」、そして次に出てくるウインドウの投影法では「コラージュ」を選びます。

20150311f

これを行うと、微妙に揃っていない2枚が、ほぼ完ぺきに重なります。

この時に床が写っていると、フォトショップは勝手に床の模様を揃えようとするのでせっかく2枚目を180度回転しても元の向きにしてしまい肝心な被写体が重なりません。

また、正対がしっかりとれていないと(例として片方は上広がり、もう片方は下広がりになってしまっていると)きれいに揃うことは稀です。

そして2枚の合成です。この例では上のレイヤーに上半分が有効なものをのせているので下半分をグラデーション消しをすれば一発です。(下の写真は別作業を行っているカットなので逆の部分にマスクをかけています)

20150311g

写り込み部分が除去され、均一な写りのものに無事合成できました。

20150311h

完全な白トビはその部分の再現が不可能になるので、元の写真は念のためかなりアンダーで撮りました。そのためかなり暗い写真なので、最後に明るさとコントラストを調節しましょう。

20150311i_2

この額のガラス、実はかなり曇ってきていて、写り込み部以外もうっすらと光っていたのです(上の方の写真でわかります)が、まるで無反射ガラスであったかのような完成品になりました。

実際の先日の例ではしっかりと正対がとれていなかったため2枚をピッタリと合わせるのに大変でしたが、合ってさえしまえばレイヤー間を見比べて、上のレイヤーにある照明の写り込み部分を消していくだけの作業なのであっという間に作業完了です。ましてや上のように最初に正確に正対し、回転にも注意していればすごく簡単な修正(合成)作業なので、機会があったら試してみてください。

ちゃんとした照明環境で撮れるのならそのほうがいいのは明らかですが…笑

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年7月 6日 (日)

ジオラマ風(ミニチュア風)写真

銀座線ジオラマ

 

TS-Eレンズに関する記事で何度か取り上げたジオラマ風(ミニチュア風)写真。当ブログでも ギャラリー を設けていますが、「TS-Eレンズのみでどれだけ表現できるか」に主眼を置き、特に他の加工を施していないものを載せています。

タイトル写真は、現在は解体作業に入っている渋谷の東急東横店から出てくる東京メトロ渋谷線を撮った2年ほど前の写真ですが、ティルトを使っていません。逆ティルト撮影でとったものがこちらですが、

20140706b

20140706c かなりジオラマ風に見えるとはいえ、違和感があると思います。このような立体構成を撮るといろいろな箇所が破たんしています。

ピントを合わせたい先頭車両からすればずっと奥にある場所にピントがあっていたり(1a,1b)、撮影場所からほぼ等距離なのに(それどころか上ほど近くなるはずなのに)上にいくほどボケていたり(2)、もう少しピンがきていてもいいところがボケ過ぎていたり(3a,3b)と、被写界深度が浅い場合に発生するボケとは違うところがたくさんあります。

下の図のように、ピント面、被写界深度の成り立ちが、実際のミニチュアを撮ったときのようにはできていないことが一番の原因です。

20140706d

またタイトル写真は、コントラストや彩度をかなり上げていますが、ミニチュアらしい質感まで表し、より「それ風」に表現するのだったら、それらの調整も必要となります。当ギャラリーの写真はレタッチしていませんが、現場の光の具合がいい場合にはノータッチでもミニチュアらしさが出ることもあります。

そこでティルトレンズを使用しないで、よりミニチュア風に見えるようにPhotoshopで加工してみましょう。

20140706e

元となる写真はパンフォーカスです。これの適切な場所をぼかしていきます。クイックマスクの扱いに慣れていれば、どのようにすれば良いかはおわかりでしょうが、画面右の建物ファサードが右ほどぼけていくようなボカシの作業では、左全体をベタ塗りし、建物部分を左から右にかけて透明になるようなグラデーション塗りのマスクをかけます。

20140706f

Photoshop CS6には新たに「フィールドぼかし」「虹彩絞りぼかし」「チルトシフト」の3つの「ぼかしギャラリー」が追加され便利になりましたが、旧バージョンの「ぼかし(レンズ)」でもグラデーションを上手に使えばボケのコントロールが可能です。

20140706g

ボケの量をそれぞれの部分で上手に案配すれば、実際にミニチュアを撮ったような周囲のボケを作りだすことができます。この作業に加え、コントラストをかなり強く、そして彩度もかなり強くすれば模型のような質感が出ます。

20140706h

もとの写真が縦位置で、まわりの要素が多いので作業は複雑ですが、このくらいに仕上げるのに30分ぐらいです。まだまだ追い込んでアート性(より模型らしさを出す)を上げることもできますが、こんなところで十分に雰囲気がでていると思います。ただ、道路や橋脚のあたりが若干不自然なので、大胆にトリミングしたのがタイトル写真です。

同じようにPhotoshopのみでジオラマ感を出した作例として、俯瞰の度合いがかなり低いものを挙げます。右に松の木がありますが、ティルトで撮ると上半分はボケてしまいミニチュアを撮った風にはならないのですが、Photoshop上でボケを加工していくのならどんなアングルの写真でも自在です。

20140706i

20140706k

 

20140706l 今やほとんどのコンデジにエフェクトとして「ミニチュア」モードがついていますが、それにせよ、ティルトによるミニチュアライズにせよ、ミニチュア風に見える条件は結構限られていて、多めの俯瞰角度で、被写体はなるべく平らなもの。適度にまばらに分散されているなどが必要でしょう。実際、世の作品をご覧になれば、だいたいはそんな撮り方をしていることがお分かりいただけるでしょう。

ティルトで「見かけの被写体深度を深くする方法」をさんざんご紹介し、「平らなものに向いている」ことはおわかりでしょうから、それと同じ原理だということです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年6月 5日 (日)

ぐるっとパノラマ vs Photoshop

110605a

前回の実験で、NPP(ノー・パララックス・ポイント ノーダルポイントともいいます)を軸に回転させた場合でも、継ぎの部分でモヤモヤしていたりダブっていたりしているのが気になりました。

110605b

縮小して見る、アルバムに貼る程度の大きさで印刷する といった場合には気にならないのですが、等倍では気になってしまうのが最近の高画素デジカメのいけないところ(笑)です。

過去、手作業でパノラマスティッチをしていた時はこのレベルでは仕上げなかったので、Photoshopでのスティッチと比較してみようと思いました。

 

最近のPhotoshop(CS以降)ではPhotomergeという機能でパノラマスティッチを自動処理してくれるのですが、初期のころに比べ最新版ではかなり進歩しています。

手順は簡単

1.元写真を用意する
今回は、X100の「ぐるっとパノラマ」と比較するため、前回の画角に近いように同じ位置で8枚撮影(これでだいたい各画像が半分ずつ重なるようになります)。X100がJPEG-Sで処理しているようなので、この場合もJPEG-Sで撮影。

2.撮った画像をAdobe Bridge で一括選びPhotoshopにPhotomergeとして送る
こう書くと何やら判りにくいですがこの画のようにメニューを選べばいいのです。
110605c

3.PhotoshopでPhotomergeさせる
これもこのようなメニューが出るので使用する画像を選び「OK」を押すだけです。
110605d

そして待つこと約1分、自動処理で以下のようなパノラマ画像に合成されます。

110605e
◆手持ち<拡大します>

「ぐるっとパノラマ」と同じサイズ5120×2160にするため拡大縮小せずにトリミングすると上下は余白ができています(写真の黒い部分)。

生の画像をチェックしたい方は こちら(4M超えますので開くのに時間がかかります)

 

さて拡大するとお分かりのように、遠景の繋ぎは見事ですが手前の手すりの繋ぎがうまくいっていません。何しろ手持ちで回転しているのですから次のコマとの視差はかなり大きく、さすがにこれをうまくスティッチするのは無理でしょう。ちなみに撮影はファインダーを覗いてのスタイルですから背面液晶を見て撮るスタイルよりは視差は少ないはずです。

このズレを解消するには、もっとたくさんのコマに分割して写すのもいいのですが、やはりNPPで回転させるのがベストでしょう。

前回ご紹介した簡易パノラマ雲台を用いた撮影によるもの(こちらも8枚撮影です)ではこのようになります。

110605f
◆簡易パノラマ雲台使用<拡大します>

生の画像をチェックしたい方は こちら(4M超えますので開くのに時間がかかります)

遠景の繋ぎもパーフェクトですが、手すりまでもがきれいに繋がっています。

 

さすがにスティッチのアルゴリズムはPhotoshopのほうが優秀です。「ぐるっとパノラマ」だけでは心配なときは、分割した写真も撮っておくといいかもしれません。パノラマ雲台があればパーフェクトですし、手持ちであればかなりの枚数に分けて撮っておけばOKです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2011年1月15日 (土)

Photoshopで被写界深度の拡大

前回の予告通り、Photoshop CS4以降で行える「被写界深度の拡大」という画像加工について説明しましょう。

下の写真は前回説明につかったものより深い絞り(F16)で撮ったバージョンですが、それでもピントが全域にはきていません。

201101151_2

また、TS-Eレンズのティルト機能を活かして撮った写真がこれです。

201101152_2

そこそこ深い被写界深度が得られ、像もクリアな絞りであるF11にしたのですが、ティルト効果が追い付かず、やはり一部にピントが来ていません。(いわゆる中ボケというもの)

201101153

白のグラデーション範囲がピント範囲を表しますが、この被写体群だとどうしてもピントがはずれる部分ができてしまいます。(青丸部分)

 

そこで、このような場合でもすべてにピントを合わせる手段として、Photoshop CS4以降で使える「被写界深度の拡大」という機能を紹介します。

用意するものは、ピントを合わせる場所を変えた数枚の同アングルの写真です。今回は、6枚を用意しました。またピントをどれだけ調節できるかの実験として、あえてピントの浅いもの(F8)にしました。

そして、その写真をひとつのフォトショップファイルにレイヤーとして並べます。この作業は、一枚目の画像をPhotoshopで開き、残りの画像を順にレイヤーとして読み込んでもいいのですが、Adobe Bridgeがあればその作業が簡略化できます。

まず Bridgeで、必要とする画像を選び、メニューの「ツール」→「Photoshop」→「ファイルをPhotoshopレイヤーとして読み込み...」を選ぶだけです。

201101154

次に、Photoshopで、レイヤーを自動整列させます。 メニュー「編集」→「レイヤーを自動整列...」

201101155

そして次に出てくるウインドウで投影法を選ぶようになっているのですが、これは「自動設定」でいいのですが、「コラージュ」のほうがより良いように思います。

201101156

この「自動整列」がなぜ必要かといえば、自動合成する際に、被写体の位置や大きさが同じでないとうまく処理してくれないからです。

実は、三脚などを使ってカメラの位置を固定しても、ピントを繰り出すことで、被写体の大きさが結構変わります。今回の例ではレンズはTS-E90mmを使っていますが、このレンズではピントを手前に合わせたものと、奥に合わせたものではこのぐらい大きさが変わります。

201101157

そして、メニューの「編集」→「レイヤーを自動合成...」を選び、

201101158

合成方法として「画像をスタック」を選べば、あとは自動的に、すべてにピントが合った画像を合成してくれます。

201101159

以上の作業で合成された画像がこれです。

2011011510

すべてにピントが合ったパンフォーカスな写真ができました。ただ、等倍でよく観察すると、合成が適切でない場所が何箇所か見受けられました。

2011011511

また、同じ素材で再度自動合成を行うと、違う場所に合成不備な場所ができます。

今回はF8という浅めの被写界深度で撮ったものを使用したので、どの画像でも最良のピントがきていなかった場所ができてしまったようです。実際の運用ではもう少しピントを深くしたり、枚数を増やしたりすれば回避できるでしょう。 

また、フォトショップ上では、各レイヤーをじかに切り抜いているのではなく、自動で生成したマスクを乗せているだけですので、そのマスクを加工すれば微調整は可能です。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2011年1月 8日 (土)

ティルト・シフトレンズによらない同効果の表現

キャノンのTS-E、ニコンのPC-Eニッコールといったティルト・シフトレンズや、大判でのティルト・シフトで何ができるかは前に書きましたが、いずれも高額の出費が必要となります。

そこで、ティルトシフトレンズがなくても同効果を得るにはどうしたらよいか考えてみましょう。

【シフト 超広角レンズを使用する】

シフトさせて得る大きなイメージサークルを持った超広角レンズで撮り、切り抜けば同じことになるのは簡単に理解できると思います。

実際に実験した例が下の写真です。

110108a
◆超広角レンズで撮影したもののトリミング <拡大します>

シグマの12-24mmは歪曲収差においては優れた(といっても一見きれいな直線に写っているようで実は真直ぐではない曲者ではある)レンズですので、縦横のラインがきれいに直線であらわされ良好な絵になりました。レンズ特性で、空の色味が若干緑側になっていることと、撮影時間に差があるため手前左の木に光が当たっているのを除けば、ほとんど差はわからないでしょう。

 

【シフト ソフトでパースを補正する】

先すぼまりの(パースがついた)建築物、斜めから撮ってしまった印刷物など、真正面から撮ったように垂直水平を修正したい写真は数多くあるでしょう。撮影前から状況が分かっていればシフトがかけられるレンズを用意すればいいのですが、そうでない場合は。。。

いわゆる「フォトレタッチソフト」(レタッチソフト)(画像修正ソフト)であれば、パースの補正ができるものも数多く出回っています。その昔は画像編集ソフトといえばPhotoshop(フォトショップ)しかなく、撮影だけでなくデザイン一般を行っている私は当初からPhotoshopしか使ってませんので、他のソフトのことは良く知りませんが、フリーソフトのGIMPなどにもあるようです。

一方「RAW現像ソフト」(現像ソフト)のほうでも高機能なものではレタッチ機能が豊富で、Silkypicsでは「デジタルシフト」と名付けられたパース修正機能があるようです。

Photoshopで「フィルター」→「レンズ補正」→「垂直方向の遠近補正」を使って補正すると

110108b
◆Photoshopの「遠近補正」によるパース補正 <拡大します>

こちらは同じレンズで撮ったものなので、色味やコントラストは同一ですが、シフトして撮ったものと同じ画角にしようとすると不足する領域がかなりできてしまいました。また、縦に若干短い比率になるようで、これはパースを補正する解釈がシフトで得られるものとは異なるもののようです。

 

以上2種類のやりかたとも、トリミングでは画像サイズ(解像度)は小さくなるのは当然だし、ソフトで補正すればオリジナルと同サイズでは絵が甘くなるのは理解していただけると思います。従って、最終的に必要とされる画像サイズが大きいものの場合にはシフトで撮ったほうが良いが、それほど大きくない場合(EOS 5DMarkIIでは最大5616×3744ピクセルで撮れるので、その半分程度 - 2400×1800であれば)トリミングやソフト補正で十分と言えるでしょう。

 

【逆ティルト】

前々回に逆ティルトを使った例として「ジオラマ風写真」をあげました。それだけに限っていえば最近のコンデジや入門デジイチにアートフィルターとして採用されている機種があるので、気楽に撮るのならそれで十分だと思います。オリンパスのE-P2ではボカシの位置、方向に制限(ピントが合うのは画面のセンター、横位置のみで機能--縦位置にすると画面の左右がボケる)があるようですが、リコーのCX2の「ミニチュアライズ」撮影ではピントの上下位置、ぼかし具合、縦横の変更ができるようです。

ただ、いわゆる「ジオラマ風写真」以外にも逆ティルトによる「大ボカシ」の表現はいろいろなバリエーションがあります。

110108c
◆ジオラマ風以外の逆ティルト作例
 EOS 5DII+TS-E24mmII  1/350sec F3.5 ISO100 2010/11/20

この写真のように斜めにピントの合う範囲を作ったり、ボカシ量を調整するにはティルト・シフトレンズを使用しないと困難でしょう。

 

【ティルト(パンフォーカス)】

スティルライフ(最近はテーブルフォトといったほうが通りがいいのでしょうか)では、商品撮影など商業写真ではピントをすべてに合わすのが標準ですが、フィルム(イメージセンサ)サイズが大きいものほど相対的に被写界深度が浅くなるため、絞りを深くする必要が出、それでも追い付かない場合にはティルトが必要になります。

そういう意味では最近のコンデジは画質の点でかなり良くなってきており、イメージセンササイズが小さいことに起因する被写界深度が深い点は、この場合有利でしょう。コンデジで撮るというのも一つの選択肢です。

趣味の写真では、あまり好まれませんが、商業写真においては結果を出すために様々な方法を駆使しますので、パンフォーカスに関しては、レタッチソフトを使用することが結構あります。

とはいえ、合っていないピントを合わせることは不可能ですので、ピントの合う領域が異なる数カットを合成して作り上げます。

Photoshopなどレイヤーが管理でき、マスクが使用できるソフトを使い、ピントが合った部分を合成していくのです。

110108d
◆Photoshopでの合成の概念図

実際にはこの概念図のように簡単ではありません。3カットではとても足らず、マスクも被写体に合わせる必要があるのですが、なによりもピントを移動したことによる微妙な画角(サイズ)違いを合わせるのが大変です。

CS4以降では、この合成が「被写界深度の拡大」という機能により簡単にできるようになりました。

110108e
◆Photoshop「被写界深度の拡大」を使用したパンフォーカス写真 <拡大します>

これは「被写界深度の拡大」というメニューがあるわけではないので気が付いていない人も多いでしょうが、説明が長くなるので次回はこれに焦点を合わせて書こうと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)